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「風俗に行ってくれ」と言えない理由
OLの客が月に何度も担当ホストのもとへ通っていれば月々の収支に足が出始め、貯金を切り崩していることは容易に想像できる。担当ホストとしては風俗の世界に進んでもらうチャンスになるわけだが、担当ホストから「風俗に行ってくれ」と言うことはない。OLの感覚はホス狂いのそれとはまだ違うため、その一言で一気に冷めて店に来なくなるかもしれないからだ。
「貯金はなくなってきたけどこれからも会いに来るにはどうすればいいだろうって、まずは自分で考えさせます。で、結局通い続けるにはどこかで手っ取り早く大金を作らなきゃいけない。そのうち、“夜のお仕事もしてみようかな”と相談されますよ」
ここでも担当ホストは自分の手を汚すことはない。「俺のためにそんなこと」などと悩む素振りを見せつつ、裏では「アイツのこと風俗に落とすから上手いこと言っておいてくれよ」とヘルプのホストたちに根回しをしている。
そのため担当ホストではないヘルプのホストたちを、あえて客と親密な関係にさせることもあるのだ。「君がそこまでの覚悟があるならいいんじゃないか」「これからも通いたいなら風俗に行くしかないんじゃないの?」と、ヘルプのホストたちに煽られる形で、OLは風俗で働き出す。
ホストに恋するOLは、乙女心から風俗で働き始めた事実を担当ホストに隠す。担当ホストもカミングアウトがあるまでは知らないふりをする。
「ホストの仕事はチームプレイなので。汚れ仕事はヘルプがやること。ヘルプは売れっ子ホストの引き立て役ですから」