〈あらすじ〉
ファッションモデルのカール(ハリス・ディキンソン)は、超売れっ子モデルでインフルエンサーの恋人ヤヤ(チャールビ・ディーン)と豪華客船の旅に参加する。乗客は桁外れの金持ちばかり。客室乗務員は白人、有色人種は裏方スタッフとして働いていた。船長(ウディ・ハレルソン)が乗客をもてなすディナーが開催された夜、船は嵐で難破。カールとヤヤは数名の乗客乗員たちと無人島に漂着する。そこで頂点に立ったのは、サバイバル能力抜群の清掃係アビゲイル(ドリー・デ・レオン)だった。
〈解説〉
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』に続くリューベン・オストルンドの監督・脚本作。ヒエラルキーが逆転する様子をブラックユーモア満載に描く人間ドラマ。第75回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。147分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆突飛な設定のようで、案外、このパターンの映画は珍しくない。イギリスの上品な老夫婦が見もの。鈍感さは美徳かも?
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆親密さの間に忍び込む気まずさを描くのが巧みな監督だが、少し間口を広げすぎた。鋭い刃と効かない毒が混在している。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆豪華客船の諸々が既に恐怖の展開を予測させる。生き残った果ての強靱なカードのランク付けには、もっと濃厚な毒を。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆キャッチーで優秀な風刺喜劇。資本主義の腐敗を戯画化する『甘い生活』や『皆殺しの天使』のリアリティショー的末裔。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆資本主義の傷口にメスを入れ引っ掻き出す様はブリューゲルの混沌を思わせ面白いがシャンパンでは洗い流せぬエグさ。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『逆転のトライアングル』(スウェーデン、独、仏、英)
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
https://gaga.ne.jp/triangle/