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《「おいしい」を追求すると無農薬や減農薬、無添加が増える》話題のスーパー「まるおか」社長が考える“安全な食材”

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食べて「うまい」かどうか

丸岡社長 Ⓒ文藝春秋

 角田 社長はぜんぶの商品を試されているんですね。一つ一つ説明を聞くのが楽しくて、すぐに時間が過ぎていくようです。

 丸岡 新しく仕入れる商品は必ず試食しています。まず、「うまい」かどうか。それから、原料や製造方法、添加物・農薬の有無を確認し、仕入れを決めています。ですから、お客さんに伝えたいことがありすぎて困っています(笑)。

 角田 私は八百屋さんや肉屋さんでもよく話をするんです。買ったことのない野菜でも「日本酒と味醂と醤油でチャッと炒めればいいよ」と、レシピまで教えてくれるので助かっています。

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 丸岡 コミュニケーションはいちばんの宝ですね。簡単に言うと、信頼関係。「この人が言うなら間違いない」という関係性が大事なのは、お店とお客さんだけでなく生産者や流通業者と我々小売店も同じ。「この人はいいものを作る」「この人はいいものを売っている」。そうして結んだ手と手が、最後は一つに繋がっていくイメージでしょうか。

 角田 ふつうのスーパーだと、その売り場以外の人は商品について知らないことが多いですよね。広いお店だと、置いてある場所すら知らなかったり。なので、そもそも商品について訊こうと思わないし、まして旬のものやおすすめの食べ方なんて教えてもらおうとも思わない。

 丸岡 お客さんには「まるおかの店員はロボットみたいじゃなくていい」と言われます。従業員は消費者としてこの店に惚れ込んでくれた人ばかり。みんなよく勉強してくれています。