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「今なら女芸人と自分を呼べる」 M-1審査員、水ダウ「しんどい先輩」…山田邦子(62)が語る、“心境の変化”

山田邦子さんインタビュー #2

2023/03/25

genre : エンタメ, 芸能

note

「あれっ」と気づいたら、何年経っていても謝りに行く

——ライバル。

山田 大久保(佳代子)とかいとうあさこに会うたびに言うんだけど、もういつも暗いのよ(笑)。段階が来ると、俳優さんでも女優さんでもお笑いでも同じで、一個レベルアップする時にはみんな必ず悩むの。お給料が合ってないなとか、思うようにいかないとか、あの人があんなこと言ったとか、おそらく前は平気だったんだよね。その段階じゃなかったから。だから悩むってことはレベルアップしてることなんですよ。

 そういう時はシンプルに立ち返って、やりたいのかやりたくないのか自分に聞いてみる。そのシンプルな感じでいいんじゃないかな、っていうふうにはアドバイスしますけどね。それは自分も同じ。

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 みんなライバルではあるんだけど、上の世代だから分かることあるじゃない。「まだまだそんなもんじゃないよ」って思う。私たち、ほんとめんどくさいんだけど、かっこ悪いことがかっこいいっていう商売だから。難しいから。

——そうやって相談できる山田邦子さんみたいな人がいて、いいなと思いました。

山田 そうね。私、誰に相談してきたんだろうね。当時はすぐ明日になってたなぁ。反省はするけど、後悔はしなかった。「ああ、失敗した」とか、「あんなこと言わなきゃよかったな」とか、反省はするけど、後悔しない。

 でも、気が付いた時に、謝りに行きます。たとえ何年たっていても。「今、気が付きました。あの時はすいませんでした」って。

——すごい。

山田 その段階の時は分からないまま過ごしちゃって、自分がいざ段階が上がった時に「ああ、ずいぶんかばってもらってたんだ」とか「すごく親切にしてもらってたんだ」って気が付くんです。それがわかったら謝ればいい。

——謝られた方はちょっとビックリするでしょうね(笑)。

山田 「あ、ああ……」って(笑)。忘れちゃったら忘れちゃったでいいのよ。そんなことはもう、ね。

写真=石川啓次/文藝春秋

 

写真=石川啓次/文藝春秋

女芸人の壁

女芸人の壁

西澤 千央

文藝春秋

2022年11月9日 発売

「今なら女芸人と自分を呼べる」 M-1審査員、水ダウ「しんどい先輩」…山田邦子(62)が語る、“心境の変化”

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