試合結果はもちろん、チェコ代表のウィリー・エスカラに佐々木朗希からデッドボールのお詫びにお菓子が届けられたこと、大谷翔平がアメリカ入りした時にチェコのキャップを着用していたことなど、心温まるサイドストーリーが、チェコ最大のスポーツ紙「Blesk」などで記事になっている。チェコ国営テレビ「Česká televize」も、佐々木のことを「人間の顔をしたスーパースター」と大絶賛している。
こうしたエピソードは、チェコ野球連盟のアカウントBaseball Czechが、SNSで次々とチェコ語で速報を発信していることでも広がっている。ムジーク外野手とコヴァラ投手が、いかフライやこんにゃくなど日本食品を試食するYouTube動画も話題になり、いまでは11万回再生を越えている。
チェコで叶いつつある彼らのもう一つの夢
日本の野球ファンの存在も、チェコ人アウトサイダーたちに強い印象を残したようだ。大谷から三振を奪ったオンジェイ・サトリア投手も、帰国後すぐ、ニュースサイト「Aktuálně.cz」のインタビューで、「現在の野球生活に不満はないが、ファンのあたたかい声援を実際に見て、唯一日本の野球リーグには心惹かれる」と答えている。
二刀流のチェコ選手たちは、チェコに帰国してまもなく自身の仕事に復帰し、その合間に地元メディアのインタビューにも対応して忙しくしているようだ。WBCを経験したチェコの選手たちは口を揃えて、チェコ人にももっと野球を知ってほしい、子どもたちにもプレイしてほしい、と言ってきた。野球を知らなかったチェコ人たちが試合を見て、ルールを覚えようとしている。彼らの夢がもう一つ叶いつつあるということなのだろう。
まだまだ始まったばかりの夢の旅路。アウトサイダーたちは今年9月にチェコで開催される野球のヨーロッパ選手権に照準を合わせている。チケットが売り切れている試合もすでにあるそうだ。チェコ代表は、いよいよチェコ野球史上初めてのメダルをかけて、さらなる研鑽を積んでいく。
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