西原 俳優、モデル、タレントの活動をしながら、先ほども少し触れましたが、映像作品での演技指導のお仕事もさせてもらっています。2018年のNHKドラマ『女子的生活』では、トランス女性役として主演した志尊淳さんに指導をさせていただきながら、私自身もドラマに出演させてもらっていて。
――それはどういった役柄で?
西原 志尊さん演じる主役の、親友役です。親友もトランス女性という設定だったため、もともと制作側が俳優を探していたらしく……。私は演技指導だけだと思っていたので、出演を打診されたときは動揺して思わず「一度(話を)持って帰らせてください」と伝えて、すぐにお母さんに電話しました(笑)。
映画『ミッドナイトスワン』に突然出演が決定
――西原さんは、脚本監修をされた草彅剛さん主演の映画『ミッドナイトスワン』にも出演されていましたよね。
西原 ちらっと映る程度でしたが、それも現場で「カメラの前に立って!」と突然言われて。その場で決まったのですが、すっぴんにかなりラフな服装だったんです。
「すっぴんなんですけど……」と私が言ったら、監督が「全員、水商売の出勤前という設定にするから!」と。
――意外にも、現場で突然決まるんですね。
西原 そうみたいですね(笑)。
――トランスジェンダーであることを公表されたのはいつ頃だったのですか?
西原 毎年タイで行われる「ミスインターナショナルクイーン」に出場したタイミングですね。はるな愛さんが過去にグランプリを受賞されたことでも知られる、トランス女性の世界的な大会です。
私は初めて出場した2013年に4位に入賞して、2015年には「ミス・フォトジェニック賞」をいただきました。
――タレント活動などを始められたのは、それからですか?
西原 はい、日本で注目されることが増え、テレビや雑誌、ドラマなど様々なお仕事をもらえるようになりましたね。
16歳のときから自費でホルモン投薬治療を開始
――西原さんが初めて、ご自身の体に違和感を持ったのはいつ頃のことでしょうか。
西原 幼稚園の頃だったと思います。自分の体が他の女の子と違うことを知って……自分のことを「女の子だ」と思っていたのでショックでしたね。
――その頃からもうはっきりと「違う」という感覚を持っていたんですね。そして、16歳のときからホルモン投薬治療を始められたとのことですが。