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「ガチで死期が迫った人に『書いて』とは言いにくい…」終活ノートに“書くべき内容”と“親への切り出し方”

『バンギャルちゃんの老後 オタクのための(こわくない!)老後計画を考えてみた』より #1

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藤谷 これはもう、助けてもらうしかない……このノートを作っているコクヨさんに!

コクヨさん(以下、コクヨ) はい、呼びましたか?

 呼べるんだ!?

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藤谷 「エンディングノート」にチャレンジをしてみたものの、軽く挫折しそうです。そもそもアラフォー世代が手を出すには早すぎましたかね?

コクヨ いえいえ、こちらの「もしもの時に役立つノート」は、もともと30代、40代の方に使っていただけるようにと考えて企画しているんですよ。

藤谷 えっ! 我々はドンピシャ!?

最初から最後まで完璧に書かなくてもいい

コクヨ ご高齢の方でも困らない文字のサイズにはしているのですが、幅広い年齢の方に使ってほしいと思っています。ご購入者を対象にしたアンケートでも、50代以下の方が半数を占めています。30~40代が45%で、20代でも買ってくださる方がいます。親のために買ってみたけれど備忘録に便利だったので自分の分も買ったという方や、気に入って同窓会でお友達に配ったというお話も聞いたことがあります。

 間口が広い分、人にすすめやすいのはあるのかも。それに、今は新型コロナウイルスの影響で、「もしもの入院」の可能性も高いですし、どさくさに紛れてこういう相談もしやすい時期ですね。

コクヨ そもそも、この商品のシリーズは約10年前に「家族と相続や遺言について相談したいけど、きっかけがない」という声を聞いて生まれました。ウチの商品なら全国の文房具店さんで気軽に買えますしね。まず最初に「遺言書キット」を発売しましたが、「まだ遺言という言葉には気持ち的な抵抗感がある」というご意見もありました。そこで、生きているときにも日常生活の中で「備忘録」として役立つノートを作ろうという話になったんです。お二人のように30~40代だとまだお葬式なんて考えたくないという方もいらっしゃいますし、最初から最後まで完璧に書かなくてもいいんですよ。

藤谷 それを聞いて安心しました(笑)。

なかには「防災リュック」の中に入れている人も

 「備忘録」って考えると、災害だったり、新型コロナウイルスの影響だったりで、自宅以外の場所に行かざるを得ないケースもありますよね。そういう時にも役立ちそうです。

コクヨ このノートを「防災リュック」の中に入れているというお話も何度か聞いたことがあります。「災害時にパソコンは浸水して壊れてしまったけれど、ノートに口座情報などをまとめていたので、それを手がかりにしてスムーズに通帳の再発行の手続きができた」というメッセージをくださったお客様もいました。

 「エンディングノート」というけれど、いろんな使い方があるんですね。

藤谷 では、コクヨさんと一緒に、改めて記入項目を見てみましょう。