エンディングノートは「これまでの自分の棚卸し」!
蟹 CD -Rなどのディスクを入れるフォルダもあるんですね。私はここに「お葬式の時に流してほしいBGM」を入れたいですね。
コクヨ そうですね、音楽にこだわりのある方は多くて、「クラシック曲の中で、この指揮者のCDがいい」みたいに、家族でもわからないような細かい要望を持っている方もいるので、CDを入れておいたほうがいい場合も多いと思います。
蟹 自分の宝物を改めて書いたり、好きな曲をCD-Rに入れたり、エンディングノートを書く楽しさもわかってきました。
藤谷 「好きな食べ物」、「呼ばれていたニックネーム」、「好きな芸能人」なんかも書く欄がありましたけど、小学生の頃に書いたプロフィール帳(※4)みたいですよね。
コクヨ 趣味や好きな音楽って、家族や周りの人がすべてを把握しているわけではないじゃないですか。お葬式以外でも、例えば入院したり介護施設に入ったりする場合にも、好きな音楽を流すことで元気付けられたりするでしょうし、他にも「好きな食べ物」欄や「友達から呼ばれていたニックネーム」なども介護の現場で役に立ったりするそうです。ですので、“エンディングの準備”というのもありますが、「これまでの自分の棚卸し」感覚でも、利用してもらいたいですね。
藤谷 友人欄も大事ですよね。普段、本名じゃない名前でしか呼んでいない人もいるし(じっと横を見る)。
蟹 私ですか! たしかに周囲から「めんまさん」と呼ばれることのほうが多いです。趣味友の本名を知らないということは、我々の世界ではよくありますからね。
藤谷 友人以外でも、「○○(地名)のおじさん」呼びでしか把握してない親戚とか、います。
「おまかせする」ばかりでもOK、意思を示すことが大事
蟹 そうそう、お墓やお葬式の欄は書くのに悩みましたね。
藤谷 「おまかせする」「お金はかけたくない」ばっかりにチェックしちゃいましたね。戒名とか想像もつかなかったので、やっぱり「おまかせする」になってしまいました。
コクヨ それは、遺された人たちに「おまかせする」ということが伝われば、それはそれでいいんです。「もっと盛大にやってあげたら良かったのでは」という後悔が生まれないので。
蟹 今自分が死んだら、最初にノートを見るのは高齢の母なので、「何もしなくていい」って書いたけれど、もしかしたら将来もっとやりたいお葬式も出てくるかもしれないですし。