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《“1日に4回拘束”体験者が教える》あなたが「中国で拘束されない」ための“絶対安全”行動マニュアル【永久保存版】

2023/04/18

genre : ライフ, 国際

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 そうした情報発信を何度もおこなったり、発信をおこなう人物を多数「朋友」(フレンド)にしていると、なおさら危ない。他者のそうした投稿に「いいね」をつける行為や、画像や動画を保存する行為にも懸念がある。たとえ日本語を使った音声チャットでもやめたほうがいいだろう。

「目覚めた中国人」はリスクである

 仮に自分の通訳や秘書などの身近な中国人が、現体制に疑問を抱いていたとする(日本語学習者の若者には一定の比率でそういう人がいる)。だが、彼らが自分の考えを話したときは、業務と無関係であれば取り合わないほうがいいだろう。たとえ日本語でも同様だ。

©AFLO

 オンラインだったり第三者が同席していたり、シェアライドの車内にいたり、キャンパス内だったりする場合はなおさらだ。相手は勇気と良識を持つ人であり、中国の未来のためには大事な存在であるはずだが、「あなたの安全」という観点に限って考えれば明確なリスクである。

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 新疆などの敏感な少数民族地帯や国境地帯、軍事基地や原発の付近にも近寄らないほうがいい。ツアーに参加する以外の形態で、自発的に接近するとリスクはいっそう上がる(ちなみに少数民族地帯ならどこでも危険というわけではなく、たとえば広西や雲南は深刻な民族問題が表面化していないため、訪問してもあまり問題はない)。ドローン撮影や動画配信などをおこなう場合も、場所選びには慎重になりたい。

 さらに危険な行動は、武漢市内でコロナ蔓延初期の事情を住民に根掘り葉掘り聞く、福州市内で習近平の福建省長時代の評価を聞いて回る……。など、特定の地域で特定の話題を中国人と直接やり取りすることだ。これをおおっぴらにおこなった場合、かなりの高確率で取り調べを受けることになる。

「中国人を目覚めさせる行動」はさらに危険

 ここから先に述べる行動は、運が悪ければ相当面倒な事態につながる。私は先に「目覚めた中国人」はリスクだと書いたが、より危険が大きいのは「中国人を目覚めさせる行動」や「目覚めた人を支援する行動」である。

 中国共産党は1989年の六四天安門事件以来、日本を含む西側諸国は中国の民主化運動や反体制運動を支援して党体制の転覆を計画している(和平演変)とする国際情勢認識を固定化し、過去10年の習近平体制下でそれがより強化されている。ゆえに、外国人が「和平演変」のシナリオを裏付けるような言動をおこなうと危険なのだ。