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偽の「死産報告書」

 しかし、啓発活動を続ける中で直面したのが誹謗中傷の言葉の数々でした。

 最悪の母親、ブス、幼児虐待、発達障害を作り出す母親、といった言葉はSNS上で数千件にもおよび、「死産報告書:死因は母親のワクチン接種」などと書かれたメッセージも届きました。もちろん誹謗中傷によって私の妊娠経過が変わるわけもなく、誹謗中傷の言葉がコロナウイルスの性質やワクチンのメカニズムを変えるわけでもないので、実際の生物学的な影響力は無に等しく、私自身がお腹の中の子ども、そして家族を守るために妊娠中の接種を決意した事実も変わりません。

 しかし、その選択が正しいと論理的にわかってはいても、お腹の中の赤ちゃんが死ぬという言葉をかけられ続けると、胎動が気になってしまったり、また、妊娠中にワクチンを接種したとメディアで紹介された私自身が健康な子を産まなければ、日本のワクチン忌避はさらに深まりかねないと要らぬ責任を感じてしまいました。

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 親(特に母親、あるいは将来母親になるであろうと思われる人)は、自分自身と家族(あるいは将来の家族)を守るための責任ある判断を迫られる場面が多々あります。しかし、その判断をするために必要な情報は必ずしも手の届きやすい場所にあるわけではありません。

 そして最良の判断をバックアップしてくれるサポートに出会えないことも多いのです。それにもかかわらず、どんな判断をしたとしても、親としての判断は批判の対象になってしまう。妊娠中に新型コロナワクチンを接種した私へのネガティブなコメントはこういった現象を象徴していました。多くの判断を迷う母親たちの声に触れるなかでも同じことを感じ、実際、ワクチン接種をした妊婦さんのなかには、近しい人から批判をされた人も少なくなかっただろうと推測します。