マリオを主役とするスーパーマリオはファミコン全盛期、ビデオゲームの世界的金字塔となった。その後も、レトロなゲームとしてノスタルジーを誘い、その人気は今も衰えていない。2016年のリオ五輪の閉会式で、亡き安倍元首相がマリオに扮して舞台に立ったのも、マリオが世界中で親しまれているスーパーセレブであることを証明している。
しかし、世界のスーパーセレブだからといって、マリオはいつも上手くいってきたわけではなかった。実は、スーパーマリオは30年前の1993年にも『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』としてライブ・アクション映画化されているが、同作品は“ダーク過ぎる”と捉えられ、「史上最悪の映画」と揶揄されたほど悪評だった。
しかし、スーパーセレブは怯まなかった。今回の作品で見事にリベンジを果たした。リベンジに成功したのはなぜか?
大ヒットのカギはSNSにあった
『タイム』誌がその要因はインターネットにあると指摘している。映画公開後、ツイッターやTikTokなどのSNSで“スーパーマリオムービー”や“スーパーマリオブラザーズ”のハッシュタグが付けられた投稿が4億回も視聴されたからだ。“スーパーマリオブラザーズ”というハッシュタグは、3月、TikTokでは最多のハッシュタグの一つにもなっていたという。
また、2020年に、映画の製作が開始された直後から、ファンたちがキャスティングについて投稿し、SNS上では早くも話題になっていたようだ。そして、昨秋、映画のトレイラーが公開されると、ファンたちはSNS上でコミュニティーを形成。投稿型ソーシャルサイトRedditのスーパーマリオのコミュニティーには13万人を超えるファンが、任天堂のコミュニティーには200万人以上のファンが集まって、スーパーマリオについて語り合った。映画公開前から“スーパーマリオ祭り”が始まり、すでに盛り上がっていたわけである。