日常的なショッピングに加えて、ネット通販やサブスクサービス登録など、あらゆる場面で使うシーンが増えているクレジットカード。ほとんどのカードにはローン機能もついており、いざというときにはキャッシングもできる。またアコムやアイフルなどに代表されるカードローンも存在し、急な入用の際にお世話になっている人も少なくないだろう。  

 そうなると、限度を超えて買い物をしてしまったり、お金を借りて返済できなくなるといった事態に注意が必要だが、最近、SNSなどに広告を出しているカード会社には信用情報(与信)がブラック気味の人や、収入の少ない人でも審査を通してしまうようなものもあるという。

 こういったクレジットカードやカードローンを使い、自身のキャパを超えて返済が滞った時にはどんな代償が待っているのか。実際に返済ができなくなってしまった経験がある人に、その顛末を聞いてみた。(文=田中慧/清談社)

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収入が大きく下がり、生活費をカードで支払っていたら…

 都内に住む本田健一さん(仮名・41歳)がクレジットカードの返済に苦労していたのは6年前のこと。長年勤めたIT企業から心機一転、広告業界に転職したものの、新人扱いのため月の手取りはほんの20万円。独り身とはいえ30代男性の生活費としてはとても足りず、現金がないので日々の食費などもカードで払う生活を送っていたそうだ。

写真はイメージです ©AFLO

「大手都市銀行のキャッシュカードにクレジット機能が付いたものを使っていました。転職して収入が減ってからは徐々に返済が遅れがちになり、督促されたら次の給料日で払うというギリギリの生活だったんですが、1年ほどでついに破綻してカードが使えない状態になりました。

 クレジットカードが使えない、現金オンリーの生活になりましたが、もともと生活必需品を買う程度だったので、大きく困ることはなかったです。当時は、サブスクやネット通販などでクレカ登録が必須なサービスも少なかったので、現金だけでもなんとか生活できました」

 銀行系のカードが焦げ付いてしまったので、預金口座などにも影響があるのではと危惧していたが、特に困るようなことはなかったという。

「そのまま現金だけでなんとかやりくりしていたのですが、決定的に困ったのはタイに旅行に行ったときです。航空券は代理店に現金を振り込むことで手配できたんですが、問題はホテルで、事前予約をするためにはクレジットカードが必須なんですよ。

 それでもなんとか探しまくって、現金決済可能なホテルを見つけたんですが、予約確定の連絡も来ないし、現地に行くまで本当に泊まれるのかどうか不安で……」