新たに2社のカードを作り「一気に100万円手に入った気分」に
ブラック履歴を重ねたせいか、新たにカードを申し込んでもまず審査に通らなくなってしまった北原さん。自身の信用情報の低さに失望したものの、7年前に現在の大手食品会社に転職すると、一時的に状況が改善したという。契約社員ではあったものの、会社の名前の力がプラスに影響したのか、某大手銀行と消費者金融会社の2社のカードを同時期につくることができたそうだ。
「それぞれキャッシング限度額が50万円だったので、一気に計100万円が手に入った気分でした。でも、40手前の転職だったことや、彼女との別れも重なり、新たな人脈を増やそうと飲み歩いてしまって、1年と保たずに限度額パンパンまで借りてしまいまして……。でも止まるのだけは避けたいんで、毎月の利息代をそれぞれ1万円強ずつ、ちょっと余裕のある時はそこに数千円ほど上乗せで払い続けてます」
支払いを乗り越えるために、新たなカードをつくる悪循環に陥っていったという。
「この頃から、誰も聞いたことのないようなマイナーカードを見つけては、『ここならいけるんじゃないか』とすぐに申し込んでみるという癖がつきました。会社の名前が大きいからか、4対6くらいの割合で審査が通りますね。信用が低いからか、キャッシングの限度額は少ないですけど」
北原さんは厳密に計算することを避けていたが、この2つのキャッシングの返済額の元本100万円以外にも、数枚のクレジットカードの返済などがあり、前職より収入が増えたにもかかわらず、毎月返済には苦心しているようだ。
「それでもコツコツ利息だけでも払っておけば、カードは使えますし、たいした実害はないんですよ。カードの支払い期日を過ぎると、取り立ての電話がかかってきますけど、番号みればわかるんで、出ません。僕の経験上、審査のゆるい、作りやすいカードほど、取り立ての電話はしつこい。たぶん、僕みたいにちゃんと返さないレベルの人をたくさん抱えているからなんでしょうね」
ただ、意外なところで「自分はダメだなぁ」と実感したことがあるという。
「好きなキャラクターの絵柄を配した限定クレジットカードがあって、申し込んだら作れたんです。これは限定グッズだから、カードとしては絶対に使わないと心に決めて部屋に飾っておいたんですが、先日、どうしてもやりくりできずについに限度額いっぱい借りてしまって……。翌月の請求が乗り切れず、そのカードが止まってしまったときは、さすがにちょっと自分が情けなくなりましたね」
いまのところ、収入が上向く可能性もないと話す北原さん。限度額いっぱいのカードが、これ以上増えないことを望むばかりのようだ。