旅行先でも困りまくるはめに
さらに本田さんにとって予想外だったのは、現地で借りるつもりだったスマホ用のSIMカードが、クレジットカードが無いと貸し出せないといわれたこと。おかげで慣れない海外で1人、カードもネットもないまま過ごす羽目になってしまった。
「フリーのWiFiスポットを辿りながら地図を確認して、なんとか予約したホテルにたどり着いたんですが、そこはいわゆるラブホテルのような怪しい宿。しかも案の定、予約が確定していなかったようで、現金をデポジットとして多めに支払うことで泊まらせてもらいました。クレジットカードは便利なだけでなく、持ってる人の信用の証でもあるということが、改めて身に染みましたね」
これに懲りた本田さんは、帰国後は真面目に未払い分を完済。だが、新たに有名な流通系カードを申請したものの審査落ちしてしまい、自身の与信力が想像以上に傷ついていたことに愕然としたという。
「それから1年ほど経ってから、審査がゆるいと噂の消費者金融系のカードを取得することができたのですが、キャッシングの限度額は10万円と最低ランク。それでも安定した収入が入る仕事に転職できたので、それ以降は支払いが遅れたことはありません」
「カードが止まる」上司に借金を頼み込んだが…
「いままでのツケが溜まりに溜まっていて、支払いの目処なんてまったくつきませんね……」。やけに小さな背中でそう話すのは、大手食品会社の契約社員、北原慎治さん(仮名・46歳)だ。聞けば、北原さんはずっと独身で、お酒や夜のお店が大好き。酔って財布のひもが緩んでしまうことも多く、クレジットカードのキャッシング限度額を使い切っては他のカードで補填するという、自転車操業を続けているそうだ。
「若い頃は、某デパートのカードを焦げ付かせて、レジで『このカードは使えないので、いまこの場で切ってください』と言われたこともあります。周りの人から注目されるなか、ハサミを渡されてカードを切らされたのは、さすがに恥ずかしかったですね」
10年ほど前にも、流通系クレジットカードの限度額30万円を使い切ってしまい、期日までに利息分だけでも払わないとカードが止まる、という事態になったことも。
「仕方なく、当時勤めていた会社の上司にお金を貸してくれと頼み込んだんですが、『いや流石に』と断られてしまい、結局カードは止まってしまいました。ほんの1万、それも1日だけ貸してくれれば乗り切れたんですが……。おかげで余計なブラック履歴が増えてしまったので、この時のことは少し恨んでますね」