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高くても買いたい

〈写真多数〉約10万円の“キーボード”100台が即完売! マニアが明かす“自作キーボード”の奥深すぎる世界

〈写真多数〉約10万円の“キーボード”100台が即完売! マニアが明かす“自作キーボード”の奥深すぎる世界

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机の上が華やかになる5万円超のハイエンドキーボード

Polaris 5万8000円/2019年

Polaris 5万8000円/2019年

 世界的なヒットメーカーが設計したキーボード。高いコストパフォーマンスで、日本の自作キーボードファンの間でも一大ブームを巻き起こしました。

 コンパクトで無駄のないデザインと2023年現在にも通用する先進的な設計で、自作キーボードにおける一つのマイルストーンとなった一作。その設計は後述の「VEGA」にも引き継がれています。

 スイッチを下まで押し切ったときの「柔らかさ」やタイピング時の音質にまでこだわった設計、それでいて手の届きやすい価格、当時としては珍しかった鮮やかな黄色の塗装をカラーバリエーションに取り入れるなど、技術的にもデザイン的にも自作キーボードのスタンダードを押し上げた一品です。

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 Polarisは「60%」と呼ばれるキーボードで、テンキーなどもついたフルサイズのキーボードが104〜109キー程度であるのに対して、それの60%程度のキー数であることからそのように呼ばれています。60%キーボードはテンキーやFnキーだけでなくカーソルキーをも取り除くことで左右対称の美しいデザインを実現した愛好家に好まれているレイアウトですが、最近ではカーソルキーのついた「65%」にやや押され気味です。

VEGA 6万9000円/2020年

VEGA 6万9000円/2020年

 こちらは、Polarisと同じ作者による設計の「65%」と呼ばれるジャンルのキーボード。横方向に1列増えることでカーソルキーなどの自由度がグッと増えて、近年人気の高いサイズです。

 VEGAの目指した設計は、より良いタイピング感を追求するというもの。適度な柔軟性を持ったキーボードの回路基板や、スイッチを保持するプレート部品の構造を持つほか、筐体内部に仕込まれたクッション素材によってタイピング時の音に関して高い品質を持っています。

 アルミを削り出してマットに塗装された筐体はシンプルな直線で構成されていたり、外部からネジが見えない構造になっていたりするなど、デザインにも強いこだわりを感じます。