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「つぐみ食堂」は平良店長のお父さんが始めた店である。もともと電気通信工事会社を経営していた。当時はコロナ禍で閉店する店も多く、もし立地がいい店舗があるなら立ち食いそば屋をやってみようと考えていた。そして2021年9月に営業を始め、2022年末から居酒屋などでの調理経験が豊富な現店長の平良伸さんがスタッフとして加わった。

お店を観察していて気が付いたことがあるという

客入りがいまいちだったワケ

 そして平良店長が店を始めてみるといろいろなことが分かってきた。篠崎一帯は首都高速7号小松川線の出入り口が近く、早朝5時からのお客さんが一番多い。それに比べて昼や夜間の利用客が少ない。

 しかし、お年寄りは店前をよく散歩していて通過するたびに店を覗いていくし、家族連れなども前をよく通過している。周辺は住宅地が続いており、潜在する客は多く、飲食店へのニーズは高そうだ。

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 ところが「つぐみ創心」にはなぜかお客さんが入らない。そこで平良店長は気が付いた。「立ち食いそば屋という狭い間口にしていると、入りたい人も入れない雰囲気があるのではないだろうか。実際にカレーライスも天丼も、カツ丼もできるし、もっと間口を広げた方がいいのでは」と考えるようになったという。

ゴールデンウイークに店内を改装

「ネギチャーシュー飯定食」を注文

 そこで店名を「つぐみ創心」から「蕎麦 つぐみ食堂」に変えて、利用者のすそ野を広げる作戦に出ることにしたという。例えば、カウンター越しの受け渡し台の高さを低くしてコミュニケーションを取りやすくした。そして、メニューも定食やセットメニューを増やして、そばだけじゃないというアピールをしたという。夜は本格的な二八そばを提供し、食事やお酒も提供できるようにメニューをそろえた。

「功を奏したのか、車のお客さんだけではなく年配のお客さんや家族連れも徐々に増えてきました」と平良店長はにこやかに話す。

「蕎麦 つぐみ食堂」として新たにスタート
「ネギチャーシュー飯定食」で「ゲソ紅生姜かき揚げ」トッピングで温かいそば

 そんな話をしているうちに注文品が出来上がった。「ネギチャーシュー飯定食」で「ゲソ紅生姜かき揚げ」トッピングで温かいそば。「牛コロッケ」も付いてなんだか豪華絢爛である。