――まだ、「はこだてライナー」どころか電化もなかったわけですね。
吉川 「軌道の方はいいけど、電化しなくちゃいけないからお金がかかる。簡単にはいかないね」って言うんですけど、函館駅は新幹線の車両が入る余地はあるのではないかなって。駅の構内は広いし、新幹線開通後は在来線の特急が無くなるので、余裕が出来、今使っている道南いさりび鉄道のホームをずらして、そこに新幹線ホームを作ればよいので、対応できるということです。
前衆議院議員の相談でレポートを作る
――1995年ごろのアイデアが、3年くらい前に形になって講演会を開きましたね。当時の資料をいただいて記事を書きました。
吉川 4年ほど前に、元衆議院議員の前田一男先生から突然電話がかかってきたんです。第2青函トンネルについても、私はいろいろと検討をしていますが、この件で以前から親交があったのです。
その電話で「函館の駅に新幹線を入れたいんだけど、どうしたらいいか」って言うんです。そのまま(フル規格新幹線の線路)だと1000億円かかっちゃうけど、実は昔考えていた良いアイデアがあるんですと。当時より状況がいいのは、新函館北斗駅~函館駅間が「はこだてライナー」のために電化しているんです。
「本気でやろうと思ったらできます」って話したら、「ちゃんとしたレポートを作ってほしい」って言われた。半年かけて、自分で列車に乗って、踏切とか構造物をすべて見て歩いて、結構しっかりと積算をして工事費を計算しました。そのレポートを見せたら、函館市民の皆さんに話してほしいって。これがきっかけです。
――大泉さんは市役所職員だし、観光部長も経験されているから、新幹線関連の情報はご存じだったんでしょうね。
吉川 私は大泉さんも、立候補表明をしたことも、当時は知らなかったんです。突然前田先生から電話がかかってきて、大泉さんが興味を持っているので協力してほしい、公約の一つにしたい、函館に来て会ってほしいと。それが去年の10月くらいかな。