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「あなた、なにができるの?」

八木 公募していないのに履歴書を送ったので、最初は「あなた、なにができるの?」みたいな感じでした。「ずっと映像の勉強をしてきた」と言ったら、「うーん……分かったわよ……じゃあ来なさい」と言ってもらえて映像制作という立場で入社することになりました。社長は採用するかどうか迷っていたと思います。

——ほかの事務所にも、履歴書は送ったんですか?

八木 いや、タイタンだけです。爆笑さんが大好きだったので。タイタンに入れなかったら、普通に制作会社に行っていたと思います。

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——当初は映像制作部門に入られる予定だったとのことですが、そこからなぜマネージャーに?

八木 僕が入ったのと同時期に、ちょうど爆笑の田中さんのマネージャーが辞めたんです。それで光代社長から「あなた、一時的にマネージャーやって」と言われて。結局そのままマネージャーを続けているので、僕としては予想外というか(笑)。「話と違うな」という状態のまま、今に至ります。

八木順一朗氏 ©坂口尚

——映像の仕事ができると思って入社したら、マネージャー。理想とのギャップがあったと思いますが、仕事は辛くなかったですか?

八木 いえ、爆笑さんが本当に大好きだったので、毎日近くにいられるだけで幸せだったんです。現場も楽しいし、「良い職場だ」と思いました。ただ、一方で「映像がやりたい」という想いも募っていって。正直、そのバランスは難しかったですね。

爆笑問題と初めて対面した“瞬間”

——初めて爆笑問題さんに会ったときのことは覚えてますか?

八木 『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)の待ち時間で紹介してもらったのが初対面ですね。自己紹介すると、太田さんは早々にイジってくれて、「ん? お前は山羊なのか?」「いや八木です!」といったやり取りをしました。田中さんは、普通に「よろしくね」という感じでしたね。

爆笑問題の田中裕二氏 ©文藝春秋

——芸能界の第一線で活躍する田中さんのマネージャー。相当忙しそうですね。

八木 忙しかったですね。レギュラーもたくさんあったし、ちょうどドラマに出ていた時期ということもあって。入社当初からかなり忙しかったです。休みも全然なかったですね。

——元々は映像がやりたかったのにマネージャーになって、さらに休みがないくらい忙しい。嫌になりませんか?

八木 「楽しい」のほうが大きかったですね。大好きな爆笑さんと毎日一緒にいて、合間に映画の話をしたり、田中さんも僕も怪獣が好きなので、そういう話もしたり。そんな状況って、少し前の自分からしたら夢みたいじゃないですか。だから、本当に毎日楽しかったです。