マネージャーの仕事は“外回り営業”のようなもの
——マネージャーという立場で、芸人の仕事を得るためには、具体的にどんな方法があるんですか?
八木 例えば……テレビ局まで行って、知り合いのプロデューサーに会います。そこで芸人のプレゼンをしたり、「芸人探してる番組ありませんか?」「どういう特技の芸人がほしいですか?」と聞いたりですね。一般企業でいうと外回り営業のような感じです。
——直接会いに行くのは、業界の慣習ですか?
八木 「そうしなきゃいけない」という決まりはないですけど、マネージャーとプロデューサーも人間と人間ですからね。雑談から、「今度○○呼びたいんだよね」みたいな話につながることも多いんです。だから、プロデューサーとはなるべくコミュニケーションを取るようにしていましたね。ここ数年は新型コロナウイルスの影響もあって難しくなりましたけど、それまでは会いに行くのが一般的でした。
——自分の営業が、初めて実を結んだときのことって覚えていますか?
八木 覚えてますけど、けっこう特殊なパターンでしたね。所属芸人の「瞬間メタル」をプレゼンするにあたって、僕は彼らの“芝居”が良いと思っていたので、彼らの表現力が伝わるような映像資料が欲しくなったんです。そして、学生時代に身に着けたスキルを活かして3分くらいの尺にまとめた映像を持っていったんですよ。
そうしたら、プロデューサーが「これ、八木さんが作ったの?」と。「こういうの作れるなら、次の改編でコーナーやってよ」と言われて、瞬間メタルの冠コーナーをいただいたんです。そのコーナーは、脚本から撮影、編集まで僕がやりました。
“マネージャー”による“芸人”への介入
——芸人さんと、ネタに関する話はしますか?
八木 なにか聞かれたら意見を言うくらいです。基本的に、タイタンは「芸人のネタに口出しをしない」考え方なんですよ。社長も爆笑さんのネタに口出ししないし、マネージャーも芸人にネタのことは言いません。当然芸人のほうがマネージャーなんかよりネタのことを真剣に考えてるし、舞台に立つのは彼らなので。
——芸人さんを売るために、マネージャーがキャラクターを付けるようなこともあると聞きます。