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「育った環境の影響で、性的なコンプレックスがあった」宗教3世の元AV女優が語る、機能不全家庭で感じていた“教育格差”

戸田真琴さんインタビュー #3

2023/05/27
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戸田 そうですね。宗教2世問題と家族の問題は、本当に関係が深くて。「お母さんが言ってるんだから従わなきゃ」というか、血縁関係を人質に取られてしまうので。

 先ほどもお話ししたように、私自身、まだ正式に退会手続きはできていないんです。なぜなら「退会したい」と申し出ようものなら「絶縁する、しない」といったひどい騒ぎになってしまう。そういったハードルを超えて退会した人もいると思いますが、私の場合は問題を眠らせている状態で。

©杉山拓也/文藝春秋

「宗教の問題を過剰にタブー視する」空気に変化が

――誰にも話せないことが多いからこそ、家庭によって対応が様々といいますか。

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戸田 その「家庭による」という状況自体が良くないと私は思っています。たとえ家庭が機能していなくても、外部から子どもを守れるような制度を作っていかないとどうしようもないと思うんですけど、現在は「国や自治体に対して対応が期待できないから、あの子は明らかに困っているのに触れられない」といった状況で。その状況を改善しなければ解決が難しい問題だと思います。

――家庭内暴力などもそうですが、家庭内の問題となると途端に「個人」に責任を負わせていると言いますか、解決策も支援策もないのが現状ですよね。

戸田 いや本当に。私は実際には3世ですが「宗教2世的な問題を抱えていた」と発信することで「実は自分もそうです」というお手紙などが来ることが多くて。

©杉山拓也/文藝春秋

「宗教の問題を過剰にタブー視すること」をやめていく空気自体は、民間からも作っていけると思っています。これまでは、世間で「宗教2世」と聞くと「なんだかんだいって2世もその宗教の思想に強く影響されているのではないか」「触れたらやばいんじゃないか」という空気だったものが、少しずつ変わってきたと思います。

――どのように変わってきたと感じますか。