地上波全局チェック　「ジャニー喜多川氏の性加害」でテレビ報道の“配慮”はあったのか

　番組が扱うニュース項目全体を見せるテロップにも「ジャニーズ」は登場しない。「THE TIME,」はランキングで“気になるニュース”を伝えていく番組なのに、そこにも登場しない。視聴者として見ていて、とてもモヤモヤした。結局2回だけこのニュースを伝えたものの特にコメントもなく、“腰がひけた”ような報道だった。

　3回伝えた「ZIP！」も同様で肝心のジャニーズ問題はなかなか報道されず。一体、どうなっているのか。

NHKが見せた「当たり前」の対応とは…

　これに比べるとNHKは「おはよう日本」で5時台、6時台、7時台のトップニュースでジャニーズを扱っていた。

　幼い子どもから高齢者まで多くのファンがいるジャニーズのタレントたち。その事務所が、創業者による性加害でお騒がせしていると社長が謝罪したのである。ニュースバリューを考えれば当たり前の対応だ。

　ところが、民放各局はNHKが見せた「当たり前」の対応をしなかった。目立たないようにして「申し訳程度に伝えた」という表現がぴったりはまる。ニュースとして伝えはするものの、順番はかなり後ろの方で目立たなくする。意図的になのか“目立たない位置で”伝えていた。

　ニュースは発表からすぐの方が速報性もあるので、項目順を上げて伝える。時間が経てば鮮度が落ちていくので後ろに回す。それがセオリーだ。それにもかかわらず、事務所の発表から一夜が明けてすぐの民放の情報番組では、いずれも目立たせない扱いをしていた。かなり不自然ではないか。すこぶる疑問が残る。

　一方で、局が違ってもフリーアナの宮根誠司がキャスターを務めるフジの「Mr.サンデー」と日テレ「ミヤネ屋」が、ともにトップ項目で報道していたことは注目される。宮根キャスターの意向がそれなりに反映されたのかもしれない。