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 橋田さんはその行為が他の器官を使った、暴力的な性行為であることを告白した。当時、13歳だった彼には何が起きたか理解できない、精神的な“傷”になったことは想像に難くない。直後に風呂場に駆け込んで、泣きながら自分の体を洗ったと証言した。

 このニュースの終わりでは、小川彩佳キャスターはメディアが報じてこなかった過去を自省した上で番組としての“覚悟”を示した。

小川彩佳キャスター(TBS「news23」5月11日より)

(小川彩佳キャスター)
「被害がなかなか表面化しにくいという中で今回、実名で顔を出して訴えてくださった方々がいらっしゃるわけです。それはどれほど勇気の要ることだったか…。その勇気を私たちも重く受けとめる必要があると思います。
 また取材に応じてくださったカウアンさんはジャニー氏の疑惑について『当時からメディアが報じていたら、ジャニーズ事務所に行くことはなかった』とも話されていました。
 はたして報道機関がどれだけこうした被害を報道してきたのか。少なくとも私たちの番組ではお伝えしてこなかったという現状があります。
 その中でこのカウアンさんの発言は非常に重く、この言葉には向き合わなければならないと感じています。
 今後、番組ではこうした訴えをしっかりと受けとめ、報道していきたいと考えています」

いかに子どもたちを性被害から守っていくか

 5月16日(火)、ジャニーズ事務所が性加害問題で謝罪して2日経った。

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 大手メディアの中で先行するTBS「news23」が独自取材を重ねてきた元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんと橋田康さんが揃って、国会に出向いて野党・立憲民主党のヒアリングに出席した。

 2人は同じような被害が二度と起こらないようにと法律の整備を求めた。このニュースをこれまで熱心だった「news23」に加えて、テレビ朝日の「報道ステーション」、さらにはこれまでこの問題を一度も伝えていなかったフジテレビの「FNN Live News α」やテレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」も報道した。

フジテレビ「FNN Live News α」5月16日より

 この日、法務省の官僚も交えた国会でのヒアリングで浮き彫りになったのは、現行の制度では相手が芸能事務所の経営者など親でないケースにおいて、子どもたちを守ることができないという法の不備だった。

テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」5月16日より

 ジャニーズ事務所の“性加害”は、一人の加害者の問題、ある芸能事務所の問題にとどまらず、いかに子どもたちを性被害から守っていくかという国民全体の問題になりつつある。

 遅ればせながらも、テレビ各局が少しずつジャニーズ事務所の「性加害」問題の重大性に気づき、ようやく報道の輪が広がり始めている。週刊文春が最初にこの問題を報じた1999年から25年目でやっと変化が見え始めた。

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