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 その後、自分の総合的な幸せのために「日本を去ろう」と決意をしてから、アメリカの医師国家試験受験を経て日本人史上最年少の米国臨床研修医として駆け抜けた20代の日々は、二度と同じことはできないと思うほど心身共に辛い経験で、毎日が100%以上の努力を要した時期でした。しかし、自分らしく生きることができたと思う期間でもありました。

「今まで感じていた違和感は当然だったんだ」

 今振り返っても、「しずかちゃん」に象徴される日本女性に求められている姿と、社会が共有する無意識のジェンダーの偏見こそが問題だと気付いた瞬間、それまで言葉にできていなかったムズムズ感に名前がついたような気がしたのをよく覚えています。

 ひどく残念な気持ちにもなりましたが、それと同時に「今まで感じていた違和感は当然だったんだ」とどこか安心するところがありました。問題が言語化されたことによって、私自身はこの理想像を自分に押し付けなくてもいいと思うことができ、「女の子らしさ」や「キャリアウーマン」の呪縛から解放されたのです。(#3に続く)

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。