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LiLiCo そう、当時は私も疲れていたから、今と比べて信じられないくらいネガティブだったんですよ。

 小学5年生のときに転校したんですけど、そのときに学校でも地獄が始まってしまって。突然アジアンルックスの転入生がきたということで「アジア人であること」をからかうような上級生がいて。

 そうすると同じクラスの5人グループの女の子たちがそれを面白がって、いじめをするようになったんですね。当時のいじめって、今のネット上のいじめと全然違うんですけど、スウェーデンでは雪の中に顔を押し付けられたり、痰を吐き出した雪玉を顔に擦りつけられたりするんですよね。

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©三宅史郎/文藝春秋

同級生からの陰湿ないじめに耐えていた子ども時代

――雪玉を投げるまでは想像できますけど、相当陰湿ですね。

LiLiCo あとハマナスの種って開くとパウダーが出てくるんですけど、それを背中に入れてきたり。そうするとすっごく痒くなるんですよ。日常的にそういうことをされたりしていて。

 一度、先生が「あんたたち、あの子のこといじめてるんじゃないの?」と疑ったときに、その子たちが誤魔化すために「じゃあ一緒に遊びに行く?」と私に聞いてきたことがあったんです。彼女たちはかなり大人びていて、12歳にして夜はディスコに行って、ポケットの中に隠し持っていたお酒を飲んだりしていたんですよね。で、男性経験の話とかをするような子たちで。

――日本の12歳とまったく違いますね。

LiLiCo でしょう。で、ディスコに誘われたから家で準備をして待っていたんだけど、忘れたフリをされて結局誰も来なくって。それで「ごめん忘れてた!」みたいな感じで深夜の1時くらいにインターホンを鳴らしてくる、という。

©三宅史郎/文藝春秋

 だから「神様はどうして私にだけこんな思いをさせるの」といつも思っていて。勉強もそれまでがんばっていたけれど、弟の面倒を見なくてはいけないし、とにかく日々が楽しくなくなったんです。それは日本の芸能界を知っちゃったからというのもありますけど「芸能界に入るなら算数はできなくていいんじゃない?」とか思ったり、音楽やラジオを聴いて現実逃避をすごくしていて。

 家でお母さんからどれだけひどい言葉を浴びせられても「いいよ、いいよ。いつか日本に行って私はスターになってやるから」って思いながら耐えてましたね。

撮影=三宅史郎/文藝春秋

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。