研修会に入ればトップクラスの棋士に教われる機会も
――ここで、研修会に入ることでの魅力、メリットをお願いします。
阿部 特典としては、東西の将棋会館の道場で無料で指せるというのがあります。
長谷部 あとは(トッププロが公式戦で使用する)特別対局室で指せるのもそうでしょうか。例会全部の対局が特別対局室という訳にはいきませんが、プロ棋士が会員に行う指導対局は特別対局室で行います。
阿部 東北は将棋盤・駒の質がいいんですよ。公式戦で使うもの以上かもしれません。大山先生(康晴十五世名人)の言葉じゃありませんが、いい道具で指すと強くなります。指導対局は月に1局以上、受けることができます。
石田 プロ棋士や奨励会員の指導を受けられるのは大きいと思います。特に北海道ではA級の広瀬さん(章人八段)が幹事をやっていますから。トップクラスの棋士に教われる機会はなかなかありません。
阿部 レギュラーとして広瀬さんがいるのはすごいです。前にも触れましたが研修会の月謝は12500円で、指導及び例会日の昼食もついていますから、それほど高くはないと思います。
長谷部 関東での指導はゲスト棋士や奨励会員を含めて、常時8人態勢で行っています。私も1例会につき最低でも1人とは指すようにしています。その間に他の会員へ目が行き届かなくなるのは課題ですが、これも他の幹事がいない部屋で指導を行うといった工夫をしています。
今年から始まった優勝者同士のグランドチャンピオン戦
――指導対局を通してなど、若い会員の将棋を見て才能を感じるときはありますか。
石田 光る手を指す子はところどころいますよね。ただし例会の対局は棋譜を全部取っているわけではないので、通りすがりで見た限りですが。
阿部 私の持論として、棋士が指導対局をするときは下手の良さを引き出すようにしなくてはいけないと思っています。
――研修会に訪れたゲスト棋士や奨励会員は、勝ち負けで報酬が異なるという話を聞いたことがあります。
長谷部 そういう点で棋士の本気が見られることは、他の場所での指導対局とは違った魅力かなとも思います。会員と棋士の指導対局の手合いは二枚落ちか四枚落ちが多いですね。
石田 指導対局の結果も昇降級の数字に入り、また上手のほうが勝っている感はありますが、それでも昇級する子は昇級しているから、ちょうどいいのではないかと思っています。あと研修会独自のイベントとしては年に1回の研修会トーナメントですね。研修会ごとに行われる総平手のトーナメント戦ですが、今年から優勝者同士のグランドチャンピオン戦を始めました。スポンサーについてくださった横浜冷凍様には感謝です。