スクウェア・エニックスが2023年6月22日に発売した『ファイナルファンタジーXVI』(以下、『FF16』)が好評のようだ。
本作は発売から5日で、全世界累計販売本数が300万本を突破している(パッケージ出荷本数・DL販売数の合算)。さまざまなメディアのレビューを集計するサイト「Metacritic」では、100点中88点を記録。高評価といえる部類で、本作を楽しく遊んだという読者もいるだろう。
一方で『FF16』には、重大な問題に対して「見てみぬふり」をするクセがある。そして、それに疑問を持つ人も少なくないだろう。
現実世界を思わせるような重い設定が特徴のストーリー
『FF16』は、人気RPG「ファイナルファンタジー」シリーズの最新作である。ナンバリングシリーズでは珍しく、本格的なアクションRPGになっているのが大きな特徴だ。
「ファイナルファンタジー」シリーズらしい映像美はもちろん、今回はダークな雰囲気のストーリーも特徴となっている。やはり映像美とストーリーを中心に楽しむゲームで、 海外メディアIGNは「アクションというジャンルの最高傑作に匹敵するほどではないかもしれない」と前置きをしつつも、ストーリー重視のゲームとして高く評価している。
『FF16』の主人公は、ロザリア公国の第一王子である「クライヴ ・ロズフィールド」。彼は王族のひとりとして日々を過ごしていたものの、ある時大きな悲劇に巻き込まれ、その惨劇を引き起こした犯人に復讐することを誓う。
世界設定も大胆である。『FF16』の舞台となる世界「ヴァリスゼア」は、さまざまな国家が争いを繰り広げるファンタジー世界になっているのだが、現実世界のメタファーと思われる要素が多い。