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「もちろん自分もそこ(大阪桐蔭史上最強)を目指しています」
明治神宮大会を2連覇し、センバツ優勝も経験している前田にとって、得られていない唯一のタイトルが夏の選手権大会だ。
最後の夏を前に、前田に不安要素があるとすれば3月のセンバツ以降、公式戦や練習試合で長くベンチ入りせず、主将も外れていたことだ。
最大6試合を戦う夏の甲子園に向けて「前田に続く2番手以降の投手を試したい」というのが西谷監督の主張だが、またしてもケガを負っているのではないかという憶測も駆け巡った。しかし前田本人は否定している。
「去年の夏は悔しい負けをした。その悔しさを持って過ごしたこの1年は時間が早かった。ボールのスピードよりも、ボールの質にこだわって、悔いのない最高の夏にしたいです」
激戦区・大阪を勝ち抜き、甲子園で深紅の優勝旗を主将として受け取った時、前田は「大阪桐蔭史上最強の投手」の称号も手にすることになる。
前田は言った。
「もちろん自分もそこ(大阪桐蔭史上最強)を目指しています」
そして西谷監督も、大阪大会開幕直前の公開練習で報道陣にこう宣言した。
「私もそうなり得る存在だと思っています」