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 住むためには仕事が必要だということになり、知人の紹介で地元の有名な老舗そば屋で28歳から働くことになったという。そして15年ほど修行と奉公。

 その後、独立を模索して「みさお」を2019年秋に開業したという。現在はそば・天ぷら・串の料理を笹川さんが、それ以外の「ガレット」などを共同経営者の渚さんが担当している。

修行時代の話を聞く

そばの道の奥深さに触れる日々

 笹川店主はさらに話を続けてくれた。「会津若松のそば屋の師匠は厳しいけれど温かい人でした。そばを愛し、そばや素材と常に会話することをいつも説いてくれました。自分もそばが好きだったので、そばの道の奥深さに触れる日々が続きのめり込み、気が付いたら15年もいることに」なったという。

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福島の日本酒なども並ぶ。あかべこも人気
ソースカツ丼などもそろえる

そば屋をやるなら「独自の道を行け」と激励された

 そして独立の相談を師匠にしたところ、「もちろん好きなようにやりなさい。しかも独自の道を切り開いて行くように」と激励されたという。つまり、ただ同じ料理を作るのではなく、自分たちのエッセンスを入れるような工夫を考えていったという。その答えが「そばとモダン料理だった」という。

 そして、店名「みさお」は、そんなそばに対する初心・愛情を忘れることなく、自分たちの料理に対する考えを貫徹し心に決めた志を最後まで全うしようという思いから命名したそうだ。

おすすめ料理はたくさんある

高級鴨肉「マグレカナール」を使った串焼きが登場

 そんな話を聞いていると、すごい串が現れた。フォアグラ用に飼育されたミュラー種鴨の胸肉「マグレカナール」を使った「マグレカナール串焼き」(2本1800円)だという。原産国ハンガリーからの輸入物で近年値段が暴騰しているとか。まず何もつけないでそのまま分厚い赤身のきれいな鴨肉を食べてみる。すごく上品な塩味を感じる。胸肉はしっとりして柔らかい。合鴨や野趣あふれる本鴨とは別物の味である。