そして、次に薬味をつけて食べることにしたのだが、その1つ、自家製の塩レモンが絶品の旨さで目を見張った。これは「レモンの皮と果肉をみじん切りにして、果汁と一緒に塩を入れてかき混ぜながら煮詰めていき、20分位で完成する」という逸品である。サッと抜けていくレモンの程よい香りと強すぎない塩味のバランスが素晴らしい。柚子胡椒も旨いがこの塩レモンは特筆すべき味である。これは持ち帰りたいくらいである。
もう1つのモダン料理「ガレット」登場
そして渚さんが作る「ガレット」が登場した。「ラ・コンブレット」(950円)は目玉焼き風たまご、ベーコン、チーズ、バターしめじが入ったスタンダードなタイプである。ほんのりと焼目が入った生地が食欲をそそる。ナイフとフォークで切り進めると、たまごから黄身がパッとお約束のように広がる。取り分けて食べていく。生地の温かさと具材のバランスが絶妙だ。渚さんは相当「ガレット」の修行をしたそうで、すでに達人の域だとか。
会津若松の十割と二八そばを堪能する
いよいよ笹川店主の修行先で会得した更科(二八)そばと十割そばを堪能する番だ。注文した「二色そば」(950円)が登場した。まず、更科も十割も手打ちの平打ち麺である。かつて喜多方で食べたそばが平打ちだったことを思い出した。
まず、十割から辛汁につけて食べてみる。そばはやや濃い色でコシが強くそばの味が広がる。そば粉は会津産や北海道産、群馬産などを選びながらそば打ちしているとのこと。
辛汁は浅草並木藪のような濃いタイプではなく、やや出汁が多めのタイプで口当たりがよい。鰹節、宗田鰹、鯖節でとった出汁は上品な仕上がりで、更科は十割より白くコシがさらに強くツルッとしたしなやかなそばである。あっという間に食べてしまった。