日本から来た剛速球ノーコン投手にファンは釘付けに
観客動員が2,700人とか超閑古鳥時代の往年のパ・リーグを彷彿とさせ、しかもうっかりアスレチックスのチームカラーが緑であることから大阪球場における南海ホークス最終年さえも想起させる事態となったのであります。
一連の移転問題に、地元オークランド市のファンはブチ切れ。アスレチックス球団オーナーのフィッシャーさんに対し、ファンが「チームを売れ(Sell the team)」と騒ぎ、球場に行って抗議をしようという逆ボイコットまで発生して大変に荒れに荒れているシーズンとなってしまっておりました。
そこに舞い降りたのが日本の剛速球ノーコン投手として名高い藤浪晋太郎さんでありました。
代理人のボラスさんの剛腕もあって、おそらく藤浪さんが不調でも3Aなど傘下球団に落とせるオプションを球団側に認められていなかったのか、チーム上位の高給取りとなる約4億円(325万ドル)とされる年俸よりも「ストライクが入らないうえに、狙われると滅茶苦茶打たれる」状態で、しかし数日すると涼しい顔してまた登板してくる藤浪さんに、ただでさえ少ないアスレチックスファンの視線は釘付けになります。
素材は良いのにストライクが入らなくて大炎上
ファンコミュニティでは、シーズン開幕当初、藤浪さんに対する期待と不安が混ざった声が多く見られました。ファン曰く「日本から来た藤浪は、大谷翔平より速い球を投げるらしい」。
まあ…嘘ではないよね。間違ってはいないんだ。
でもね、ストライクが入らないんですよ。
開幕第二戦の先発を任されて、3回途中被安打5、与四球3、8失点でほろにがメジャーデビュー。ひょっとしたらやってくれるのではないか、というかすかなアスレチックスファンの願いも届かず、大炎上してしまうのであります。
さらに公式戦初登板以降、藤浪さんは順調に登板ごとに炎上を続け、開幕4連敗。その4敗目も、3回途中8失点で完全燃焼。そして防御率は14点台に。飛び交う怒号、ファンコミュニティでは悲嘆とブチ切れが交錯したのもいい思い出です。
そして、中継ぎ降格。しかし、相変わらずストライクが入らず、ストライクが入ると長打を打たれる。さすがに本人も悩んでいるのか、フォームが安定せず、それでも164km/hを平気で出す素材の良さだけは印象に残る登板を繰り返します。