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 しかも、お題となっているのが「NHKのネット対応をどう進めるか」。

 これはもう、テレビの前にガッツリ座って番組を観ているのが高齢者か失業者しかいなくなりつつある現状では前述のように「いつまでもテレビ・地上波とラジオだけでNHKが公共放送として国民の知る権利を担えるのか」という論点は重要になりますので、当然みんなそりゃ無理だよなって話になるわけです。

NHKネット必須化に反対 総務省会議で新聞協会が意見:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072400764

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 そもそも、日本の地上波を中心とするテレビ局各局が経営難に陥って、新聞社の系列では不動産のほうが儲かっているためにむしろテレビ局は放送事業が副業になってしまう勢いで経営状態が劣化しています。これらは、見た目の競争こそ確かに民放各局対NHKに見えますし、民放連も一時期はNHKによる民業圧迫をずっと問題視してきました。

 ところが、実際に起きている競争は国内の民放各局対NHKではなく、先にも述べた通りYouTube(Google)やAmazon、Netflixのように世界的な大資本が大量の視聴者をバックに相応に良質のコンテンツを大量に制作して洪水のように垂れ流してくることにあります。国内ではフジテレビ系のFODを筆頭にようやく国産動画プラットフォームのビジネスが頭を出せるようになり、また、TVerのように見逃し視聴だけではなく地上波同時配信(リアルタイム配信)が昨年22年4月から実施できるようになりました。遅れ馳せとはいえ、民放も国内市場に限っては何とか対処できるレベルに達してきました。

 一方で、番組の海外配信では語学の壁やそもそもの制作費が日本は少ないことを理由にアニメを除いて苦戦している状況があるうえ、いつまでも国内政策論争では民放各局対NHKという世界的にも割とどうでもいい論点で延々と騒いで結論を先送りしてきたツケを払う形でいまだに「NHKのネット配信どうすんだよ」って議論を続けています。

 さすがに民放連も会長の遠藤龍之介さんや常勤専務理事の堀木卓也さん以下、真の敵はNHKではないことに気づいてきたのでNHKのネット配信を妨害するよりは放送業界全体の問題を解決しようというモードになってきた一方、明らかに足の引っ張り合いで面倒を起こしているのは日経や地方紙などテレビ業界以上に終わっている日本新聞協会(メディア開発委員会)のように見えます。

 特に、NHKニュースのテキスト配信については、地方紙の本業とバッティングするのでけしからん、民業圧迫だと言いたいようなのですが、元から地方紙のネット配信なんてヤフーニュースなどから小銭をもらっているぐらいでたいした事業にもなってないじゃないですか。各地に記者を張り付けるコストも負担できないからずっと通信社や記者クラブに頼りきりだったでしょうに。

地方メディアが抱える問題

 テレビを観る視聴者の年齢が上がってきてヤバイといっているテレビ・放送業界よりも、もはや本当に誰も読まなくなってきている地方紙が、地域経済の衰退・沈没と共に生き残りはいまの業態のままでは困難なのは当然です。過疎すぎて販売店ひとつの担当エリアがクソ広いのにその広いエリアで配達する新聞が平均12軒を切っている地方紙も続出していることを考えれば、これはもう死ぬ病です。