4人の子育てをしている筆者、上の子たちはみんなNHK教育を観て育ったんですよ。『おかあさんといっしょ』から『天才てれびくん』『ピタゴラスイッチ』『大科学実験』まで、多種多様なジャンルの番組をかなり熱く視聴しておりました。

 ところが、最近iPadを使いこなし始めた長女(4歳)は完全なスマホ中毒であり、いい加減にしろと怒られるまでYouTubeやTikTokにドップリとハマっております。面白いかもしれないけど、その場で楽しいだけで価値のない動画ばかりずっと観ていてどうするの。

 親としては「さっさとNHKはネット対応せえ」と思うわけですよ。
 子供しか観ないようなコンテンツに一流の人材を起用したり、コアなネタに莫大な取材費をかけたり。NHKにしかできない仕事が、ここにある。

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©️時事通信社

 もちろん、SNSなどでは「NHKなんか要らない」って声が多く見聞きされ、YouTubeとNetflixとAmazon Prime Videoがあればそれでいいじゃないかって思ってる人も少なくないわけです。

 それもこれも、国民に人気のない理由は「日頃あまり観ないNHKから、放送受信料を取られるから」に他なりません。そればかりか、NHKの受信料徴収はほんと態度悪くて腹立ちます。私はカードで年間払いしてますが、NHKの集金人が来ると、私が管理している集合住宅の住民はどかした庭石の下にいた虫のように逃げまどいます。

 集金人も諦めが悪く、私に対してすら「ここの住民は日中どこにいるんですか」って連絡してくる始末で、なんで大家である私が住民のライフスタイルを知り尽くしてるつもりで訊いてくるんでしょう。

 割とNHKを観る私ですら「受信料を払うのは仕方ないんだが、気持ちよく払わせろ」とは毎回思うぐらいですから、NHKを観ない人は怒り倍増なのも分かります。

 ただ、公共放送としてのNHKとは何かと言われれば、国民の知る権利・知る手段を確立するために必要であることは間違いなく、その最たるものは豪雨やら地震やら起きて避難生活をすると、寸断されてほっそい回線になり動画どころではなくなるネットよりもみんなNHKラジオに頼ることになります。また、知る権利は公益だからと消費税増税の際に新聞業界が全社挙げて軽減税率を激しく主張していたのに、いまや小銭を払わないと記事を読ませない新聞社のお陰でストレートニュースだけでなく政治や経済、社会問題の良質な解説記事をネットで読むことができなくなりました。本来、カネのない人ほど国民の知る権利を達成するためにNHKが必要なのに、カネのない人ほどNHKの番組を積極的には観に行かず「NHKぶっこわーーす」とか言ってるのは皮肉以外の何物でもありません。

 いざってときに無いと困るのがNHKなのだが、ネット民が嫌いなマスゴミであり、受信料貰い過ぎで儲かってるように見えるものだから、ますますヘイトが集まる構造になっておるのです。

でも、さすがにこのまんまのNHKじゃマズいでしょって状況に……

 必要なのは分かったからさっさと税方式にしろとか、カネいっぱい貯めやがって受信料下げろとか、さまざまな声はありますが、最近になって遅々としてしか進んでいなかった総務省のNHKどうするの会(公共放送ワーキンググループ)の議論が白熱してきました。さすがにこのまんまのNHKじゃマズいでしょって状況になってきたからです。

総務省 デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_hososeido/02ryutsu07_04000394.html