2022年1月にミス日本に選ばれて以降も続いた症状
――治療としてのものを含め、過食と嘔吐はいつぐらいまで続きました?
河野 症状は最近までずっと続いてはいましたね。2022年1月にミス日本に選ばれて以降も、全然ありましたから。
――ミス日本に応募した時期は。
河野 2021年の夏です。大学3年生です。
――ということは、過食嘔吐を繰り返していたなかでのチャレンジだったと。
河野 この頃になると、わりと考え方がしっかりしていて。自分でも不思議でしたけど、摂食障害であることを抵抗なく周囲に話せたんです。
で、診断が出た翌月にはInstagramで「自分は摂食障害で、こういう苦しさがあって」と投稿するようになって。Instagramは友達と繋がってる程度だったんですけど、その発信をしたらいろんな人からすごい数の反応があったんです。
自分の近いところで同じように悩んでいる子がいたりして。それで「これって、社会的意義があるのでは」と思って、私がなにかしらの形で世に出ることで発信の機会が多くなるし、届く範囲も広くなるのではないかと。
グランプリとか考えず、まずは行動することから始めてみようかなって。だから、応募書類にも摂食障害であることを書きました。
美しさはルーツで、ルーツを知るからこそ美しさに繋がる
――ミスコンである以上は美を競うわけですが、外見で存在の意義や位置が決まることに違和感はありましたか。
河野 ミス日本は、書類選考、面接、地区大会があって、地区大会でファイナリストに選ばれたら勉強会があって本選になるんですけど、最初の面接で「美しさって、ルーツなんですよ」と言われたんです。「美しさはルーツで、ルーツを知るからこそ美しさに繋がる」と。
「自分を自分たらしめるものがルーツで、それを追求することで美しくなれる」って、そこで腑に落ちたんですよね。私の場合は摂食障害はルーツにもなっているし、もっとさかのぼれば人が好きだし、誰かと繋がることが好きだったなって。最初のほうでもお話ししましたけど、そこが歪(いびつ)になっていたから、いろいろあったんだなって。
――最近まで過食嘔吐が続いていたとのことですが、現在はいかがですか。
河野 いまは普通に食べられていると思います。
――「◯◯だから摂食障害になるんだよ」といった決めつけの言葉を掛けられたりは。