再発防止はまず永田町から
ちなみに、一連の情報対策において諸外国との制度比較はよく出てくるのですが、例えばアメリカの情報部門にいる人物が国家機密を意図的に漏洩した場合は、最高で死刑になります。今回、ワシントン・ポスト紙のスクープの元ネタになった米NSAの、末端組織に勤務して世界的騒動を引き起こしたスノーデンさんについても、当時の司法長官がわざわざ「死刑にしないから帰っておいでよ」と連絡をしたりしてますが(でも有罪なら禁固30年)、世界では情報というものはそれだけ重く、また、諜報は重視されているものなのです。
U.S. Says Snowden Wouldn't Face Death Penalty
https://www.wsj.com/articles/SB10001424127887324110404578629781061789620
有力な政治家が、自身の主義主張を政策に反映させるためにいろんな人を官邸や省庁に出入りさせることは往々にしてありますが、結果的に、物事を根本から悪化させてしまうケースもありますから留意が必要です。また、そういう人を見つけ次第羽交い締めにしてつまみ出すためにも背景調査のためのPEPs方面は徹底してセキュリティクリアランスをやらないと同じような事態が繰り返し発生するだけなのではないのかなあと思います。
本件で、うっかり何も悪くない防衛省職員が責任を取らされて詰め腹を切らされるようなことがあってはならないし、再発防止はまず永田町から手がけましょうという気概を持って取り組んでいただければと願っております。
現場からは以上です。
※本文執筆にあたっては、報道内容や事実関係の確認においてpiyokangoさんの記事を参照しました。深く御礼申し上げます。
米紙が報じた中国による日本の防衛ネットワークの侵害についてまとめてみた – piyolog
https://piyolog.hatenadiary.jp/entry/2023/08/09/022303