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OSO18のようなクマはこれから増えていく

東出 僕の狩猟スタイルは単独忍びといってひとりで山に入って獲物を狙うものですが、猟師の高齢化に伴って、車上から獲物を狙う「流し猟」の猟師が増えているようです。北海道のケース同様、彼らの中には鹿を撃って例えば写真と尻尾だけを自治体に提出し、遺体を林道脇に置いてきちゃう人もいる。それをクマが食べて肉の味を覚え、人間の食害につながるっていうことはあるのでしょうか。

米田一彦と東出昌大 ©文藝春秋/撮影・杉山秀樹

米田 ありうるね。最近は昔と違って、ただ撃ってその場に捨ててくるというのがいっぱいあるわけです。それによって肉食化が進んでいるのも、人身事故が増える要因かなと思っています。十和利山で起きた事故にしても4人も食い殺すなんて、前もって何かで肉の味を覚えてないとありえないだろうなと。OSO18も、あれほど牛を執拗に狙う理由はなんだったのか。

東出 北海道の猟師の知人は、OSO18のようなクマはこれから増えていくのではないかと危惧していました。現地のヒグマは林道脇に行けば、死んだ鹿肉が食べられることをすでに学習していて、猟師たちが鹿撃ちをした後の時間を狙って獲物を探しに来ると聞きます。すでに肉の味を覚えてしまったヒグマがどのような行動に出るのか、注視していく必要がありそうです。