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東山新社長に否定的なBBC記者

 日本テレビも、生中継そのものは情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」に委ねて、その後の夕方のニュース番組「news every.」では、今年3月にジャニー喜多川氏の性加害を「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」というドキュメンタリー番組で世界中に発信したイギリスの公共放送BBCのモビーン・アザー記者の受け止めを報じた。

「きょうは大きなステップでした。ジュリー前社長が辞任したことは喜ばしいことです。しかしまだ大きな疑問が残ります。社会正義の実現にはまだ遠い」

日本テレビ「news every.」9月7日より

 新体制について聞くと、「(新社長は)元々アイドルでジャニーズ事務所のシステムの中で生きてきた。これは問題だと思います」として、アザー記者は「東山新社長」に対して否定的な評価だった。

 アザー記者は、沈黙してきた日本のメディアについてもコメントした。

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「日本のメディアが何十年もこの問題を無視し続けてきたことは非常に問題です。事務所が何十年も力を持っていた。それは危険なことです。一つの組織や会社が何をニュースにすべきか、何に沈黙すべきかについて決める力を持つべきではない。

 

 メディアは自由に発言できるべきです。今後日本の報道機関の中でニュースに関わる人たちが自問自答し、文化が変わることを心から願っている」

「相談する選択肢も生まれなかった」

 さらに「news every.」では、元ジャニーズJr.で13歳での性被害を実名で告白した橋田康さんに、生放送のスタジオで藤井貴彦キャスターが話を聞いた。共感的な姿勢で橋田康さんの言葉を丁寧に引き出していた。

藤井アナ 橋田さんにまずお伺いしたいのは、相談できない雰囲気がありましたか。

 

橋田さん ジャニーズJr.の仲間うちでは当然のように、日常会話の中でそういう話はありましたけど、その大人……先輩だったり、僕でいえば東山新社長だったりに相談できる機会というのはなかなかなかったですね。そういう選択肢も生まれなかったですね。

日本テレビ「news every.」9月7日より

藤井アナ メディアに求めること、どんなことがありますか。

 

橋田さん 今日のジャニーズ事務所の会見で東山新社長もおっしゃっていましたけど、事務所が後手後手になっていたことはその通りだと思う。もっと急いで対応していればこうだったというのはいっぱいあると思います。メディアの方に関しても大きな意味合いで言えば、本当にそう思うので、後手後手にならないように、もっと早く真実を報道していれば……。同じことを繰り返さないように、今後、報道のプロとしてしっかりあるべき姿をとってもらって、ジャニーズ事務所と一緒に前を向いてほしいなと思います。