東山新社長の「人権意識」に注目
TBSの夜ニュース「news23」にはジャニー喜多川氏の性加害を35年前から告発してきた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表の平本淳也さんがスタジオに生出演した。
ニュースのリード文は、以下のような厳しい文章だった。
「性加害問題をめぐって、きょうジャニーズ事務所が4時間にも及ぶ会見を開きました。新社長に就任した東山紀之さんは一連の問題を『人類史上最も愚かな事件』と糾弾。一方で出席した記者から、東山さん自身の性加害疑惑についても相次いで質問が投げかけられました」
「news23」も日本テレビ「news every.」と同様に英BBCのモビーン・アザー記者にインタビューした内容を放送している。
「藤島ジュリー氏と東山氏は子どもの頃からお互いをよく知っている。家族経営をやめると言っていたのに、なぜ長い間所属している東山氏にすべての権力を手渡せるのか」
「news23」は東山紀之新社長の「人権意識」について焦点を当てていた。
東山新社長が会見の終盤で「自分が本当に人権ということに関して取り組んできたのかといったら、かなりおろそかになっていました。人の権利ということをきちっと考える機会になって、それを率先してうちの事務所がやっていくことが重要だと思います」と語った映像を放送。東山氏や、新たに生まれ変わるはずのジャニーズ事務所の人権意識はどうなっているのか。番組側のそんな問題意識がうかがえた。
被害者が東山新社長に求めること
ゲストの平本淳也さんは35年前からこの問題を訴えてきた人物だ。BBCのドキュメンタリー「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」にもインタビューで登場していた。
新社長になる東山紀之氏がジャニー喜多川氏による性加害について、「噂は聞いていたが恥ずかしながら何もできず何の行動もしていなかった」と述べた点について、平本さんはどう感じたのか。小川キャスターはその点を聞いた。
平本さん ジュリーさんが以前、ビデオでまったく同じことをおっしゃっていた。「知らなかったでは済まされない。でも謝ります」と。それにならったのかな……と。当事者として、被害者として(の立場でいうと)、「知らなかったはないよね」ということはもちろん言いたい。(中略)そこは本当に不可思議に思うところですね。
小川キャスター 平本さんは東山さんと同世代。同じ年生まれでいらっしゃって、合宿所でも時間を共にされていたんですよね。
平本さん 何度も何年も……。はい。一緒に過ごしておりますし、ステージもテレビも映画もそうですし、かなりの時間を共有しております。(中略)年齢が近いし、近かったという一つの仲間意識(もあります)。彼が今回、会見の中で「かつての仲間」と言ってくれたのは、少し感慨深かったなと思います。
小川キャスター 東山新社長に求めることは?
平本さん (略)まだスタートラインにも立っていないので、私たちが求める「要請」というものがありまして、被害者と加害者が共に携わりながら救済の方法、手段を一緒に考えていきませんかというものを我々から要請している。それが現状において、相手方に伝わっているのかどうか。まだお返事はいただけていない。(「当事者の会」の要請の図を見て)つまりはジャニーズ事務所側、加害者側に一方的に決めないでもらいたいという意思の表れです。