テキストの抽出が縦書きでもできるように
さて、一般的にスマホOSのアップデートでは、前述の「スタンバイ」のようなまったく新しい機能よりも、すでにある機能に施された細かな改善のほうが、より有用という場合も多々あります。ここからはそれらの中から、実際に使って筆者のツボにはまった4つの機能を紹介します。
まずは「縦書きテキストの抽出機能」です。写真アプリで画像を長押しすることで、画像内の文字情報をテキストデータとして抽出できる機能は、従来からも利用できましたが、今回のiOS 17では、これまでの横書きだけでなく、縦書きのテキストも選択できるようになりました。
縦書きが選択できることで、日本語との親和性がさらに向上したわけですが、なかでも古い新聞や雑誌などから、テキストが簡単にコピーできるようになったことは見逃せません。これならば、古い新聞のスクラップなどから本文を抽出し、ネットで検索したり、メモ帳に貼り付けて再利用するなど、さまざまな用途に使えます。
もちろん著作権には注意する必要がありますが、これまで横書きに限定されていたテキストの抽出が、写真アプリだけで簡単にできるようになったのは革命的です。今後、さまざまな可能性が広がる機能と言ってよさそうです。
AirDropにも新機能が登場
続いては、iPhone同士を近づけるだけでファイル交換できるようになった、新しい「AirDrop」機能です。
iPhoneなどのAppleデバイス同士でファイルを簡単に送受信できる「AirDrop」は、これがある限りほかのスマホに乗り換えられないという人もいるほど、iPhoneユーザにおなじみの機能ですが、今回のiOS 17では共有メニューから相手を選んで送信する方法に加えて、iPhone同士を近づけて送信する方法が利用できるようになりました。
イメージ的には、iPhone同士をペアリングさせたのち、送信したいファイルを画面上に表示したままiPhone同士を接近させると、ファイルが相手に向かって飛んでいくかのようなエフェクト画面が表示され、相手のiPhoneで受信が行われるというものです。バイブの振動に加えて、これまで聞いたことがない効果音が再生されるため、初めての時はちょっとびっくりします。