スタジオジブリの新作アニメーション映画『君たちはどう生きるか』が7月14日に公開され、まもなく4ヶ月。興行収入は85億円を突破し、ロングヒットを記録中です。
10年ぶりに宮﨑駿監督の新作が公開され、これまでのスタジオジブリ作品を思い返した方も多いのではないでしょうか? そこで、文春オンラインでは「〈アンケート〉あなたが選ぶジブリ映画ベスト1は?」を実施。22日間で20~60代を中心に、617人の投票が集まりました。(※なお1人につき、3作品を選び〔1位5点、2位3点、3位1点〕、合計得点で計算しています)
それでは、アンケート回答者のみなさんから寄せられたコメントと印象に残ったシーンをあわせてご紹介します!(6位〜12位は、前編「ハウル、ポニョ、そして最新作『君たちはどう生きるか』は何位……?」で公開中)
◆◆◆
【5位 火垂るの墓(1988年公開 監督・脚本:高畑勲) 490点】
昭和20年9月21日の夜。戦争孤児の清太は、飢えで意識が遠のく中、幼い妹のことを思い出していた――。太平洋戦争の最中、 神戸の大空襲で両親も家も失った14歳の清太と4歳の妹・節子が、親戚からの非常な仕打ちや飢えと戦いながら、懸命に生きた日々を描いた作品。
「このテーマを描けるのはジブリ映画くらいでしょう。他の作品の追随を許さないという理由で1位」(64歳・女性)
「戦争のアニメの中で一番リアルなのではないか。こんな時代もあったんだと、戦争を知らない子ども達に伝えなくてはいけない作品。あらゆる物が自由に溢れている時代、食べ物が当たり前にある時代しかしらない人に観てもらいたい映画です」(42歳・女性)
「親からよく聞かされた戦前の話と、少しの記憶でしかない子どものころを思い出す」(78歳・男性)
「野坂昭如の原作も読んでいるけど、何度見ても泣ける」(56歳・男性)
「辛い作品ですが、この作品を避けてはいけない気がします。兄と妹の静かな暮らしから戦争のおぞましさ、無慈悲な世界がぐんぐん伝わってくる恐ろしい作品です。こういう形でメッセージを送ってくるジブリ作品に脱帽です」(62歳・女性)
◆
ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとハマスの衝突など、痛ましい国際情勢が続く昨今、「戦争の悲惨さ」を伝える作品としての評価も多かった。
◆
「物語は暗いが戦争の悲惨さや兄妹愛がしみじみと身に響く作品。どうしてこんな物語がアニメとして生まれたか、作者の意図を考えさせられる」(83歳・男性)
「戦争の悲惨な状況でも、兄と妹が励まし合いながら生き抜く姿に感動です」(57歳・男性)
「戦争を伝える映画というと残虐性や悲惨さが強調されるイメージですが、この映画は戦争が持つ悲しさ・理不尽さがやんわりと伝わってきます。だからこそかえって、いつまでも心に残ります」(49歳・女性)
〈読者が選ぶ印象的なシーン〉
「節子がかわいすぎて、ジブリの世界でしか表現できないような泣き方や『ドロップ、ドロップ』と言う声が今でも耳に残っています」(42歳・女性)
「たらい回しにされた子どもがかわいそうで……。アメだと思い石を口にしたシーンが頭から離れない」(49歳・女性)