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そんな「秩父」から“消えた路線”

 こうしたことからわかるように、本来の秩父の中心は秩父往還沿い、秩父神社周辺に広がっていた。秩父神社のすぐ裏手には秩父鉄道のその名も秩父駅。地場産センターという物産館などが入る大きな駅ビルを持ち、名実ともに秩父を代表するターミナルだ。

 

 秩父駅の東側、国道140号の脇にはかつて秩父セメントの工場もあったようで、秩父駅から工場への貨物線の跡も残っている。秩父の町は、あれこれの観光に加えて廃線探訪までできてしまうのだから、至れり尽くせり。ここまですべてが揃っていて、東京から日帰り圏内の観光地など、唯一無二といっていい。

 秩父の町の中心の秩父駅から、ちょっと町外れに生まれた玄関口の西武秩父駅までは、歩いても20分くらい。その間にレトロな町並みも秩父神社もあるから、のんびり歩きながら散策するのにちょうどいい。時間があれば羊山公園に登って町を見下ろしてみたり、バスを使って三峯神社や秩父ミューズパークなどに足を伸ばすのも悪くない。

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 そして、疲れたら最後は西武秩父駅の脇の温泉に浸かり、お土産を買ったら特急で1時間30分で池袋。最後はまるで、秩父の人の、というか西武さんの回し者みたいになってしまったが、それくらい秩父はいくら歩いても見どころの尽きない町なのである。

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