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 そして、駅前を通る県道28号線の上には、熊本市電の路面電車が走っている。熊本の中心市街地は、駅とは少し離れた場所にある。駅前も例のアミュプラザやビックカメラがあるが、それほど繁華街という雰囲気は持っていない。熊本駅は、まず第一に玄関口、ターミナルという役割に徹しているように思える。

 
 
 

アーケード、アーケード、アーケード…東側には見渡す限りの商店街が

 こうした玄関口と中心市街地が離れている町の構造は、熊本に限ったことではない。むしろ、城下町などをルーツとした古い都市においては、中心市街地と駅が離れているのは定番といっていい。

 

 これは、城下町以来の古い市街地の中ではなく、その外側に鉄道が通って駅ができたから。いくら中央政府の力が強い時代とはいえ、むりやり建物が密集する市街地の土地を買い上げて駅をつくることはできなかったのだ。

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 ただ、多くの例では、徐々に市街地が拡大してターミナルをも飲み込んでゆく。駅周辺の市街地化が進んで既存市街地と一体化する、という見方のほうが正確だろうか。その点、熊本では熊本駅が中心市街地に完全には飲み込まれず、玄関口らしい存在を保っているのは、珍しい例なのかもしれない。

 ともあれ、熊本駅から中心市街地に向かわねばならない。