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白装束をまとった謎の集団、ダムの水底に沈むことになった村…稀代の道マニアが明かす「“酷道”417号線」で遭遇した“奇妙な出来事”

白装束をまとった謎の集団、ダムの水底に沈むことになった村…稀代の道マニアが明かす「“酷道”417号線」で遭遇した“奇妙な出来事”

2023/12/22
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 そのため、この道を通り抜けて岐阜~福井間を往来する車はほとんどいなかった。国道であるにもかかわらず、あまりにも状態が悪いことから“酷道”と呼ばれてもいた。私はそんな酷道が大好きで、全国の酷道を巡っている。そして、この国道417号と冠山峠は私の地元ということもあり、20年以上前から幾度となく訪れていた道なのだ。

国道417号
道の脇には物々しい看板が

 そんな国道417号での印象的な思い出を振り返りたい。

白装束をまとった集団との遭遇

 まず思い出されるのは、私が免許を取得して間もない2002年に味わった恐怖体験だ。

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 ある夏の日の夕方、日が落ちて薄暗くなった頃、国道417号から林道を経由して福井に向かっていた。林道区間に入ると、人里離れた山奥にも関わらず、前方に多くの車が見える。

 徐々に近づいていくと、路肩に白いワゴン車ばかりが10台ほど停まっていた。車には見たことがない渦巻き模様が描かれた紙が、ビッシリと貼り付けられている。さらに全身に白装束をまとった人たちが多数たむろしていたのだ。

怪しげな車が車列をなす(写真は別日に撮影したもの)

 あまりの恐怖に福井行きを断念して引き返そうと思ったが、道が狭いのでUターンすることもできない。狭い林道に多くの車が停まっているため、隣まで行って通れなかったらどうしよう……とドキドキしたが、もう進むしかなかった。こんな山奥に白いワゴン車が10台と、全身白装束の人が数十人もいるというのは、明らかに異常事態だ。恐怖で震えながら、スピードを緩めることなく一気に通過した。

 その後、国道417号で白装束の集団を見ることはなかったが、ずっと心に引っかかっていた。後の報道で、これが「パナウェーブ研究所」のキャラバン隊だと分かると、私は彼らを20年間にわたって追跡することになるのだが、それは過去に書いた記事を参照していただきたい。

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