ジーンズ愛好家のあいだで続く「洗う・洗わない論争」

日常をファッショナブルに彩るジーンズは、気の置けない友人たちとの外食からアウトドアまで、さまざまなシーンで活躍する心強いアイテムだ。反面、デニムという特殊な素材の特性上、色落ちや形崩れなどの懸念があり、洗濯や乾燥には注意を要する。

そのため、洗うべきか否かで大論争が繰り広げられてきた。熱心なデニムファンからは、ある程度高価なジーンズであれば、はいたあとも決して洗ってはいけない、との意見さえ聞かれる。劣化を避けたい「洗わない派」と、衛生的に楽しみたい「洗う派」の論争は、長い年月をかけて繰り広げられてきた。

写真=iStock.com/Wachiwit ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Wachiwit

リーバイスのチャールズ・バーグCEOは2014年、『フォーチュン』誌のカンファレンスに出席し、ジーンズは洗濯機に入れるべきではないと取れる持論を展開。海外メディアが一斉に報じたことで、洗うべきでないという論調が強まるきっかけとなった。

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しかし、バーグ氏は今年10月に米CNBCの番組に出演し、洗ってはいけないとの報道は誤解であると明言。極力洗濯機を使ってはいけないが、代わりにある「特殊な方法」を実践すると、形や色を保ちやすく耐久性も損なわれないのだという。

これに「洗わない派」と「洗う派」の論争が再び盛り上がりを見せた。

リーバイスCEOは「10年は洗濯していない」と明言

洗わない派のバーグ氏は、どれほどジーンズを洗っていないのだろうか。

2014年のカンファレンスでの発言後、思いがけない大きな反響を受けバーグ氏は、ビジネス向けソーシャルメディアのLinkedInに「汚れたジーンズ宣言」と題する長文を投稿。登壇時に着用していた自身のジーンズに関して、「洗濯機の内側を一度も見たことがない」と発言し、自身のリーバイス・ジーンズを1年以上洗濯していないことを認めた。

バーグ氏のスタンスは、その後も変わっていなかった。2019年にCNNビジネスの番組「マーケット・ナウ」に出演したバーグ氏は、司会のアリソン・コシック氏に対し、登壇時に着用していた愛用のリーバイス501を、かれこれ10年は洗濯していないと明かした。