【5区】創価大・吉田響選手が箱根駅伝初?の「日本人ニット帽選手」に
柏原竜二さんと神野大地選手、2人の山の神から「5区で応援するなら小涌園より先。あそこは沿道に人がいないから、応援が力になるんです」と聞いていた僕は、小涌谷駅から走って箱根の山中へと上がっていきました。5区に入ったころは小雨だった雨模様もレースが進むにつれ本降りに。気温は4度でしたが、体感温度は0度くらいで、手がかじかんでカメラのシャッターもうまく切れないぐらい寒かったです。
その箱根路に万全の防寒対策で臨んだのが創価大の吉田響選手です。彼は山の神になりたいと東海大から創価大に編入してきたほど山への思いは強いのですが、寒さにはめっぽう弱いらしい。そこで登場したのが白のニットキャップ。まるでスーパーマリオのキノピオのような可愛らしさでした。
箱根駅伝にニット帽をかぶっていた選手で記憶に残っているのは東京国際大のモグス・タイタス、5区でかぶったのは日本大学のダニエル・ムイバ・キトニー以来。共にケニア人留学生で寒さに耐性がなかったのでしょう。ということは吉田選手は、箱根駅伝初の“日本人ニット帽”選手ということです。記録には残りませんが、記憶に残る名場面といえるでしょう。今回の吉田響選手には「天気」という運がついてこなかったのは残念でしたが、来年こそは晴天の5区で実力がうまく発揮できるといいですね。
駅伝界“4大純粋メガネ”を発表!
もう一人注目していた選手がいました。人気アニメ「名探偵コナン」の主人公と同じ名字とメガネ姿から「山の名探偵」と名付けられた早稲田の工藤慎作選手です。駅伝の名門、八千代松陰高校出身。八千代松陰の選手ははちまきをつけて走るのですが、彼だけははちまきをつけず、髪を振り乱しながら走るワイルドな印象があったのですが、大学に入って前髪をおろすようになり、陸上というよりも文化系の佇まい。雨でメガネを曇らせながらも順位を1つ上げる好走を見せました。
なぜ彼に注目していたのか。それは僕が日常のメガネを競技に持ち込んでいる“純粋メガネランナー”を長年推しているからです。
競技中もブレないスポーツ仕様のメガネはたくさんあるのに、普通のメガネにこだわる。思わず応援したくなりませんか? 僕が注目する「駅伝界4大純粋メガネ」を紹介します。
初代は元青山学院大で現在ヤクルトに所属する小椋裕介選手、2人目は名城大の谷本七星選手、3人目は長崎の五島南高等学校の川原琉人選手、そして4人目が工藤選手です。
谷本選手は駅伝でもトラックでも学校に行くときも、おしゃれをして街へ遊びにいくときも、同じ普通のメガネをかけてる選手。名城大の連覇の立役者ともいわれ、今やナイキの広告にも起用されるほど大活躍。そして川原選手は積極的な走りで知られる高校生。1月21日に行われる都道府県駅伝では長崎代表として1区で飛び出してくるだろうと思っています。彼も箱根駅伝を走るために春から関東の大学にやってくることでしょう。どの大学に入るか楽しみですね。
構成/林田順子(モオ)
「復路編」へ続く