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《能登半島地震》「小さなビーチに続々と復旧車両が…」インフラ復興を担う輸送艦部隊を不肖・宮嶋が独占撮!「ノルマンディ上陸作戦もかくやか…!」

能登半島地震#3

2024/01/21

genre : ニュース, 社会

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国道249号線は地震でズタズタ、さらに雪でタイヤが滑りだす

 ただでさえ日本の国土は山地と海にはさまれたせっまい平地に多くの人が住み暮らしている。能登はその山地の傾斜が急なうえ、ほとんどが緑地であり、そして半島である。そんな今回の震災のような、まさにLCACの活躍を予想していたような典型的現場にもかかわらず、上陸地点に現れた報道メディアは不肖・宮嶋だけであった。それもそのはず、上陸地点のビーチは今回の震災のせいで最も多くの住民が孤立した鵠巣地区にあるのである。

 そこに通じる国道249号線は元日にはすでにズタズタ、それでも通行止めの情報が入力されたナビでは山間部からの到達は可能とある。しかし夜中1時に金沢を出発して6時間たってもまだ海さえ見えてこないのである。夜間、しかも震災後余震が続きいつまた土砂崩れを起こすかもしれんほっそい峠道、しかもおりからの吹雪で視界もろくにきかん、さらに足元ではどんどん雪が深くなり、タイヤが滑りだす始末である。不肖・宮嶋がこの6時間で2度遭難を覚悟したほどである。

 しかしそんなことになったら今も地元住民の行方不明者捜索に当たる方々に余計な手間をかけさせることになる。それだけは避けねばならぬ。で、結局いったん輪島市に戻り徒歩で向かうことにした。

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©宮嶋茂樹

 そもそもナナビには通行止めの情報は入力でけても路面状況や天候、ましてや運転手の心理状態は入力できんのである。そして、ナビっちゅうもんは信じすぎると生死に関わるちゅうことも痛感した。夜が明け、明るくなって9時、なんとか上陸地点にたどりついた。

 結局この日は11時まで待ったが、悪天候のため、上陸は翌日に延期された。

「おおすみ」を発艦して5分後、LCACが轟音とともに上陸

 翌日7時30分、この日ははっきり沖合の「おおすみ」が見える。「おおすみ」は予定通り、7時30分LCACを発艦させ上陸を開始した。それにしてもこんな切り立った崖の下の狭いビーチにピンポイントで上陸果たせるのやろか、地震で隆起したのか波消しブロックが露出し、ビーチにたどり着くにはわずかな隙間しかない。そのビーチも大規模な土砂崩れで半分もない。こんなビーチに13両もの車両揚陸させて、どうやってこのきっつい傾斜を登りきり国道までたどり着くというんやろか。

 そんな不安をよそにLCACははでなガスタービンエンジン音を波に乗せドンドン近づいてくる。昨日よりましとはいえLCACも甲板の重機も縛着ロープが切れそうな大揺れである。