文春オンライン

『白日青春-生きてこそ-』の香港スター、アンソニー・ウォンが語る「いまの香港映画」「もし日本で撮るなら」「北野武作品への思い」

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画

note

リム 16年前に『プラスティック・シティ』の撮影で、僕はアンソニー・ウォンさんとブラジルで1ヶ月以上をともにしたが、その時、監督をやってみたい、しかも日本で映画を撮りたいと言っていましたね。なぜ日本でなのかと聞くと、縛師の恋の物語を撮りたいと答えた。その企画は今でもまだやりたいでしょうか?

「昔から北野武の映画が大好きだ。彼は本当の天才だと思う」 ©三宅史郎/文藝春秋

ウォン うん、まだ気持ちはある。でもこの年齢になると、映画監督をやるのは体力的にもう無理かな。もし日本で映画を撮るとしたら、それを君に任せるよ。以前話した縛師の恋の物語よりも、もっと面白いアイデアがある。香港で引退したベテランの役者がいる。彼は香港ではずっと俳優として活躍したが、実は叶わなかった夢がある。それは日本で“男優”になることだ。その夢を実現するために、引退した彼は金を持って、日本に移民して人生をやり直そうとする。“男優”になるために、彼は日本語を勉強したり、AV事務所を回ったり、好きなAV女優にアプローチしたりする。そんなドタバタなコメディだ。面白いでしょう?

リム それはぜひ実現させたいですね(笑)

ADVERTISEMENT

ウォン 頼むよ!

リム 最後に、日本の観客にむけて、なにか伝えたいことがあればぜひ一言お願いします。

ウォン (日本語で)愛している。愛している。愛している。永遠に俺を応援してください。そして、俺の主演する映画を必ず見に来てね。

日本の観客へ「(日本語で)愛している。愛している。愛している」©三宅史郎/文藝春秋

STORY タクシー運転手バクヤッ(アンソニー・ウォン)は、パキスタン人の難民と事故を起こし、その子供ハッサン(サハル・ザマン)を知るようになる。事故で突然父を亡くしたハッサンはギャングの溜まり場に入り浸り、警察に追われる身となってしまう。守ってくれる人がいない香港で居場所がないと嘆くハッサン。彼の身を案じたバクヤッは、逃亡を助けようとする。しかし、車の中にあった父の遺品を見つけたハッサンは、事故の相手がバクヤッだと知ってしまう。

STAFF&CAST 監督・脚本:ラウ・コックルイ/出演:アンソニー・ウォン、サハル・ザマン、エンディ・チョウ/2022年/香港・シンガポール/111分/配給:武蔵野エンタテインメント株式会社/公開中

『白日青春-生きてこそ-』の香港スター、アンソニー・ウォンが語る「いまの香港映画」「もし日本で撮るなら」「北野武作品への思い」

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春CINEMA オンライン オリジナルをフォロー