2024年1月クールのドラマは、妙に「婚活づいている」。遊川和彦脚本×福士蒼汰主演の『アイのない恋人たち』(ABCテレビ・テレビ朝日系)や、矢田亜希子主演『ナースが婚活』(テレビ東京系)、そして3時のヒロイン・福田麻貴の初主演ドラマ『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)と、3本がはっきり“婚活もの”だ。
その中で、SNSやネット掲示板での賛否が最も大きく分かれているのが『婚活1000本ノック』である。
33歳独身、彼氏ナシで売れない官能小説家の主人公(福田麻貴)が、“顔はいいが女癖が悪いクソ男”(八木勇征)にヤリ逃げされるところから始まる。しばらく音沙汰が無かったが、八木が別の女性に刺されて死亡し、福田の前に幽霊になって現れるところから物語は始まる。八木が成仏するために福田の婚活を手伝う、という尖った設定のバディ物だ。
「こういう婚活モノは、波瑠とか深キョンみたいな美人がやるから良いのに」
しかし放送開始前から主演の福田に対して「華がない」「脇役くらいがちょうど良い」と否定的な意見が集中していた。さらに第1話が放送されるとその流れは加速した。
中には「もっと主演が可愛ければ…」「こういう婚活モノは、波瑠とか深キョンみたいな美人がやるから良いのに、普通の人がやっても」と直接的に福田の外見を問題視する人もいる。
しかし主人公の設定は、特に美人ではなく彼氏はいない、仕事にはプライドを持っているがなかなか売れず、それでもなんとなく人に好かれる可愛げのある等身大のアラサー女性だ。福田はまさにピッタリなキャスティングだと思う。
逆に、波瑠や深キョンのような明らかに華やかで目立つ女性が演じるのは無理がある役柄にも見えるのだが、この拒否反応は何なのだろうか。
『婚活1000本ノック』は、クソ男の幽霊が登場するファンタジー風味だが、実は著者・南綾子が実体験をもとに書いた2014年刊行の小説が原作で、「恋愛あるある」要素が満載だ。