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他人の不機嫌はあなたのせいではない…「何かしてしまったのかも」と不安になりがちな人が抱えている"認知のゆがみ"

source : 提携メディア

genre : ライフ, ヘルス, 社会

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心の読みすぎは、英語ではmind readingと呼ばれるもので、相手の胸の内を勝手に推測してしまうことから始まります。他人のことはわからない、という基本原則から離れてしまうわけです。

たとえば、遠くで友人たちがこちらを見て笑っているのを見たとき、なんの根拠もないのに「きっと私のうわさ話をして笑っているんだ」と感じたり、遊びの誘いを断られたときに「私が嫌われているからだ」と思ったり。

「勝手な未来予知」は、脳神経学的にはfortune tellingといわれ、一般には「占い」、あるいは「予言」を指す語彙(ごい)でもあります。「勉強しても、絶対に不合格になる」「パーティに参加しても誰も声をかけてくれないだろう」などと、何かささいな出来事をきっかけに、まだ起こっていないことを悲観的に決めつけます。また、たまたま占った通りの結果になるとますます思いこみに拍車がかかり、論理の飛躍思考が強まるのも特徴です。

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宿題で問題を一つ間違えた→今度のテストで赤点だ→受験も落ちるに違いない→進学できないし、将来何の仕事にも就くことができない→孤独で不幸な人生を送るに違いない……といった、まわりの人から見れば、「どこの占い師なの?」というつっこみが入りそうな思考法(英語で、「ほらまたfortune tellingしてる!」のような言い回しがあります)ですが、当人は気づかぬうちにそこまで沼にハマってしまうことも。

「あの人、イライラしてる…怒らせてしまった」

・個人の問題化

何かの出来事や他人の言動や行動を、自分個人の問題や責任に落とし込んでしまうディストーション。

たとえばパートナーがイライラしているとき、実際には仕事で疲れているだけかもしれないのに、「私がなにか苛立たせるようなことをしたから」と思ってしまったり、同僚に挨拶されなかったのは、ただ気づいていなかったり、考え事をしていただけかもしれないのに「自分が嫌われているからだ」と考えたり。