つくばって、もっと遠くにある町だとばかり思っていた。筑波山のイメージからか、高校時代に「筑波大学に進学するなら周りには何もないから覚悟しとけよ」と誰かに言われた記憶が染みついているからか。なんとなく、ずいぶん遠い町だろうと思い込んでいた。
ところが、実際に行こうとして調べてみたら、意外に近い。秋葉原駅からつくばエクスプレスの快速に乗れば、45分で着いてしまう。
東京都心から45分といったら、中央線なら立川か八王子あたり。大阪駅から新快速に乗ると神戸も明石も通り過ぎて姫路とまではいかないが、加古川の手前くらいまでは着いてしまう。つまるところ、つくばは東京都心からとても近い近郊の町、というわけだ。
東京都心から45分…意外に近いTX“ナゾの終着駅”「つくば」には何がある?
そんなつくばを“東京に近い町”にしてくれたつくばエクスプレス。開業は2005年と、比較的新しい通勤路線だ。つくばを近くしただけでなく、近年進境著しいことでも知られている。
かつては何もなかった原野や田園地帯に線路を通し、その沿線にいくつもの新興住宅地ができているからだ。流山おおたかの森駅周辺の市街地なんて、まさにそのひとつだ。
とはいえ、利根川を渡って茨城県に入るくらいからはさすがに田畑が増えてくる。駅に着けばそのまわりは市街地だが、またすぐに田園地帯。それを繰り返しながら、つくばエクスプレスは走ってゆく。
車窓のローカル感とは裏腹に、平日に真っ昼間でもそれなりにお客が乗っている。そして、高架の向こうにビル群が見えてきたと思ったら、あっというまに終点のつくば駅。市街地の真ん中では、地下に潜って到着する終着駅だ。