かたやスペーシアの「標準」は今まで以上にコテコテな道具感で攻めています。フロントグリルはシンプルな横基調ですが、ギラついたメッキで塗られ、バンパーも張り出した力強い造形。
さらにN-BOXと真逆なのはサイドデザインで、横長の凸凹リブが片側に3本も入ったプロテクター風。実は先代も似たテイストでしたが凸凹は控え目で「スーツケース」をモチーフとしていたのに対し、新型スペーシアのモチーフは「コンテナ」。
海沿いの港にあっても似合いそうなタフで力強いボクシーデザイン。それが新型スペーシアなのです。
N-BOXは無印良品、スペーシアはニトリ
車内はどちらもリビング感があり、お部屋っぽいデザインです。しかし、路線がこれまた違います。まずそれがうかがえるのはシートの表皮や形状です。どちらも家具調ですが、N-BOXはよりシンプルかつ上品さを追求し、表皮はよりキメの細かいファブリック。
かたやスペーシアはN-BOXよりキメが荒いザックリとした生地を採用。N-BOXが無印良品のソファだとしたら、スペーシアはニトリのソファー。そういったテイストの違いがあります。
さらに面白いのは収納スペースに対する考えで、新型N-BOXは収納をあえて減らしています。先代N-BOXにあった、運転席前のフタ付きモノ入れやドアノブ回りの小物入れを廃止し、その分フタ付きでグローブボックスのサイズを拡大しています。あえて言うと「オシャレな隠せるモノ入れ」に変えたのです。
なかでも印象的なのは助手席前の大容量のタナで、それを廃止し、より高い位置にコルフ風素材の少容量のタナを付けました。使いやすさ以上に、見栄えを重視した、これまたある種のオシャレ雑貨風インテリアです。
インパネにテーブルを作ったのは車中食のため
一方新型スペーシアはそれとは真逆で、N-BOXが今回捨てた助手席前の大容量タナをあえて採用。それも奥行きを今まで以上に広げ、利便性を高めています。